オンライン配信で門出祝う 地区別に友人と再会 日高市の成人式
新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言に伴い、各地で成人式の延期や中止が相次ぐ中、今年514人が成人を迎えた日高市は10日、オンライン配信による成人式を挙行した。
式典後には地区別の6つの中学校を会場に新成人への記念品の配布や記念撮影を行う時間を設け、振り袖やスーツ姿の新成人たちがマスク越しに友人との再会を喜ぶ姿が見られた。
オンライン配信は、ひだかアリーナで行った式典の様子をYouTubeでライブ配信したもの。
式典には、主催者を代表して谷ケ﨑照雄市長、金子昭副市長、中村一夫教育長、山川治美教育長職務代理者、来賓を代表して山田一繁市議会議長、小谷野五雄県議、また、新成人による実行スタッフ18人が出席。
新成人の小平亮太さん(高萩中卒業生)、清水美瑛さん(武蔵台中卒業生)の司会進行のもと、壇上で谷ケ﨑市長の式辞、山田市議会議長の祝辞、新成人代表の松下拓未さん(高麗川中卒業生)、三島由羽さん(高麗中卒業生)による「誓いのことば」が行われた。
谷ケ﨑市長は、新成人の門出を祝福すると共に、成人式について「コロナ禍において通常の開催ができるようさまざまな検討を重ねてきた。しかしながら、全国的に感染拡大が収まらず、さらなる感染拡大が懸念される状況等を鑑み、今回は皆さんやご家族の感染予防を第一と考え、やむを得ず式典はライブ配信とし、その後、各中学校において記念写真の撮影をして頂くこととした」と説明。
「これから社会を支えていく一員として、自覚と責任ある行動が求められる。皆さんを育てて下さった方々への感謝の気持ちを忘れず、社会や地域の担い手としてさまざまな場面で活躍頂きたい」と述べ、「社会人として誰からも信頼される人になるために、“時間を守る”、“嘘をつかない”、“約束を守る”こと、感謝の気持ちを伝える“ありがとう”、過ちを素直に認める“ごめんなさい”、相手にものを頼む時の“お願いします”の3つの言葉をきちんと口にできる人になって欲しい」などとメッセージを送った。
新成人代表の男女2人による「誓いのことば」では、松下さん、三島さんが、家族や恩師、友人や地域の人々などへの感謝を述べ、大人としての自覚を持って生きていくことを誓った。
経営コンサルタントを目指し、大学で管理工学を学ぶ松下さんは、「コロナ禍で大学での勉強やサークル活動など、学生生活にも大きな影響が出ている。今回のように自分の生活が一変するような出来事はいつ起こるか分からない。これまでの常識が変わるような変化にも主体的に対応することが求められ、自分の行動にも責任が伴ってくる。このことを念頭に、さまざまな変化にも主体的に対応し、経営コンサルタントとして、ニューノーマルな時代を生き抜く、国際的に通用する企業を育て、社会に貢献していくという自分の目標を達成したい」。
また、コロナ禍で地元の友人の大切さに改めて気付いたとし、「運動不足解消のため体を動かそうと、3密を避けながらランニングやサッカーをするために集まることが増えた。小中学校の思い出話など他愛もない会話がとても楽しい。十年以上のつきあいのある友達はとても貴重で、かけがえのない存在。十年後も二十年後も変わらずにつながりを大切にしていきたい」。
看護師を目指し看護学校に通う三島さんは、スポーツ少年団でバスケットボールに打ち込んだ思い出を振り返り、「素晴らしいチームメイトに出会えたこと、他校との交流を持ち広い範囲でバスケットができたことは、今でも大切な思い出。一つの目標に向かって切磋琢磨し合うことの素晴らしさ、最後までやり通す力を育むことができた」。
看護師の夢に向け「患者さんと接する時間が長いからこそ気付ける小さな変化を見逃さず、一人一人に合った看護をすることが必要。そのためには臨機応変な対応力や観察力が大切と学んできた。現地実習や試験、課題で忙しく大変な毎日を送っているが、同じ夢を持つ仲間や、辛い時に気分転換をさせてくれる地元の友達がいるおかげで毎日頑張れている。これまでの学びを活かし、たくさんの人を笑顔にできる看護師になりたい」と決意を述べた。
式典後、市内6中学校の敷地内に設けられた地区会場には、新成人の70・4%となる計362人が足を運び、市職員から記念品を受け取り、30分程度、友人たちとの記念撮影などを楽しんだ。
晴れ着姿で高麗川中会場を訪れた同中卒業生の大沢明日美さんは「中止になるかも知れないと思っていたので、このような形でも実現できて嬉しい。振り袖も着ることができ、何よりみんなの元気な姿を見ることができて良かった」と喜びを語った。