飯能まつり、32年ぶり中止 新型コロナ禍で主催者決断
飯能まつり協賛会(古島照夫会長)は3日、新型コロナウイルス感染症の感染リスクを払拭できないとして、今年11月7、8日の両日に予定していた第50回「飯能まつり」の開催について、中止すると発表した。
飯能の秋の一大風物詩ともいえる市民の大規模イベント、飯能まつりが中止となるのは昭和天皇のご病気で全国的に催し物などが自粛された昭和63年(第18回)以来、32年ぶり。
飯能まつりは、市や観光協会などが中心となり、地域で育まれてきた祭りや囃子などの民俗芸能や観光の推進を目的に昭和46年に始まった市民参画の一大イベント。
毎年、11月の第1土曜日・日曜日に開催され、パレード、底抜け屋台の引き合わせ、特設ステージからの各種グループ発表、山車巡行・引き合わせ、神輿練り歩き、居囃子などが飯能駅北口周辺で繰り広げられる。昨年は2日間で16万7000人が来場した。
今回のまつりは通算50回目(第18回は欠番)。節目の年となる予定だったが、新型コロナ感染症の感染拡大は収束が見られないばかりか、ここにきて拡大傾向。
「来場者、参加者・関係者の皆様の感染リスクを払拭できない状況」であることから、中止の決断を下した。
古島会長は「中止は残念だが、現在のコロナ禍を考えると、止むを得ない判断。まずは安全の確保を最優先とした」と述べ、来年のまつりを第50回として開催する考え。
コロナ禍に伴い、飯能市近隣では、10月17、18の両日開催予定だった「川越まつり」が中止となった。
▽大久保勝飯能市長のコメント
「今年は50回の節目となる大切な年ですが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の収束の見通しが立たない現在において、お越し頂く方や参加される皆様に安心・安全なまつりの開催をお約束することが困難な状況です。飯能まつりの開催に尽力されている飯能まつり協賛会による中止の判断が、どれだけ苦しい決断であったかは、察するに余りあります。また、開催を楽しみにされていた多くの皆様にとっても非常に残念なことであると思います。来年度は、皆様の笑顔に出会えるこの素晴らしい飯能まつりの開催が叶いますよう、心から願っております」。