【動画】コロナ禍休場のまま、施設廃止へ 市民に愛された市民プール
飯能市教育委員会は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、今夏の飯能市民プール(飯能372番地)の利用を取り止める。
市民プールについては、老朽化が著しいため、令和2年での施設廃止が既に決定しており、今年度の市民開放がなくなったことで、利用者の別れを惜しむ光景が見られないまま、事実上の施設利用の幕引きという形になった。
市民プールは、埼玉県が勤労者の健康、福祉増進のため、昭和47年に開設した施設。平成15年、市が県から買い取った。
50メートル(7コース)の長さがあり、夏季には市民が利用しているほか、8月には市民体育祭水泳大会の会場になるなど、市民には馴染みが深い。通常なら今年も、7月18日にオープンする予定だった。
コロナ禍が影響しての今夏の利用中止だが、市民プールの存続については、既に令和2年で廃止することが決定していた。
廃止理由は、施設の老朽化と利用者の減少。
利用者については、平成22年度に7432人あったが、年とともに減り続け、29年度には2560人まで減少。さらに、施設面でみると、30年といわれている耐用年数を大幅に超過し、水質保全のための濾過装置の不具合、プール本体の下地やプールサイドの床の剥がれ、シャワーの故障や給水管の老朽化など各所に傷みが生じていた。
プール運営のための経費について平成29年度を例にみると、37万1241円の使用料に対し、委託料などの歳出は1000万円を超えた。
施設の老朽化や利用者の減少が生じている状況下、今後、利用者に安心安全に利用してもらうには大規模な施設修繕、プール本体の改修工事等の対策を講じなければならず、施設を管理する教委は施設のあり方について、庁内で検討するとともに関係団体と協議を進め、令和2年での施設廃止を決断した。
当初、市民プールの開場期日は、市水泳連盟が主催する今年8月の市民体育祭水泳大会の終了までだったが、コロナ禍による施設利用休止により、水泳大会の開催も見送られることとなった。
問い合わせは、教育委員会スポーツ課(972・6028)へ。