新会長に田辺氏就任 飯能ロータリークラブ
職業奉仕、社会奉仕、国際奉仕、青少年奉仕などの活動を行う飯能ロータリークラブの2020~2021年度第1回例会が1日、ヘリテイジ飯能で開かれ、第57代会長に就任した田辺實氏のスピーチなどが行われた。
例会実施にあたっては新型コロナウイルス感染拡大防止策として、会場入口での検温や手指消毒、密接防止のため会場を従来の2倍に広げ、テーブルを従来の10人掛けから4人掛けに変更、テーブル中央に飛沫防止板を設けるなどの対策が取られ、会員たちが新年度のスタートに向け顔を揃えた。
田辺会長が掲げた飯能ロータリークラブの今年度のテーマは「我等のロータリー」。
RI会長ホルガー・クナーク氏のテーマ「ロータリーは機会の扉を開く」、第2570地区相原茂吉ガバナーのテーマ「友達をつくろう」に基づき、「誠実・多様性・寛容・友情・平和の大切さといった価値観を共有する仲間を増やし、未来へつなげる一歩とする」ため、次の3つの目標に向かって行動するとした。
①楽しく意義のある例会にします=職業上の発想の交換、友情を深め自己改善を図る例会にしてロータリーを楽しみます。
②職業を通して奉仕活動をします=事業において高潔さと高い倫理基準をもって行動し、役立つ、価値ある職業を通して奉仕の心を育みます。
③仲間づくりをします=会員の友情を深め、連帯感を育み、自己の職業を通して奉仕活動をする事により地域の人々に広く理解を深め、会員の行動姿勢を観て、共鳴する人々で志を共にする職業人の仲間づくりをします。
田辺会長は挨拶の中で、「新型コロナウイルスで大変な状況だが、出来る限り万全の予防体制を取り、例会を行うことした」として感染防止策を紹介、「会員の皆様には当日の体調を常に考慮の上、ご出席下さいますようお願い申し上げます」と呼びかけた。
また、例会では毎回、「会長の時間」に3分間スピーチを行うとし、「職業奉仕に関すること、高潔性と高い倫理基準を重視し、人間性、人格、人間学、経営学に関する話を例会全てで行う」と述べ、初回は「仏教の教え」としてスピーチした。
スピーチの主な内容は次の通り。
仏教の教えは三つに集約される。一つ目は「厳粛」。
厳粛とは、今というひとときは二度と帰ってこないということ。時間は刻々と流れていって、今というこのひとときは二度と帰ってこない。それが世の中。
万物は一切が流転している。止まることがない。あらゆるものは、絶対に今というこのひとときを二度と繰り返さない。この世相はまさに厳粛そのものだということを仏教は教えている。
厳粛というのは「ありがとう」という言葉に還元される。時間は一刻たりとも止まらないで過ぎていく。死んだ人はもう二度と帰ってこない。そんな厳粛な世相の中で、自分は今、生きている。それは言葉に表すなら、「ありがとう」しかない。
二つ目は「敬虔(けいけん)」。
敬虔とは「おかげさま」のこと。人間は誰一人として自分だけの力で生きている人はいない。それを思うと、「おかげさま」という敬虔な気持ちにならざるを得ない。
敬虔というのは「すみません」という平凡な言葉に還元される。何がすまないのかといえば、いろいろなおかげで自分は生きているけれど、その「ご恩返しが済みません」という意味。
三つ目は「邂逅(かいこう)」。
邂逅というのは、めぐり合うこと。人生はめぐり合いの連続。めぐり合いによって、その人の人生がある。
そして生まれてきてからも、いろんな人に出会って、人間は自分の人生や人格を形成していく。
邂逅というのは「はい」という言葉に還元される。めぐり合いは「はい」という形で受けとめていかないと、めぐり合いにならない。あるいは、めぐり合いとは、我われが自分で考えてめぐり合えているわけではない。天地が与えてくれるもの。
「はい」というのは「排」という意味でもある。拝んだときに、めぐり合いは自分のものになってくる。めぐり合いとして完成することになる。
仏教の極意は「ありがとう(厳粛)」「すみません(敬虔)」「はい(邂逅)」という三つの日本語に還元される。