名栗中、2年度で廃校へ 生徒数減少に伴う課題対応 3年度原市場中へ編入
生徒数の減少に伴い、教育上の問題が発生しているとして、飯能市は立名栗中学校について令和2年度をもって廃校し、同中生徒については3年度から原市場中学校に編入するなどとした基本方針を定めた。このほど地元関係者に説明した。
山間地域における児童・生徒数の減少による学習環境など、教育上の課題が生じているとして、市は庁内に「小規模校の在り方に関する検討委員会」を設置し、協議。その中にあって、名栗中については2年後には生徒数が10人を下回ると想定されており、早急な対応が求められている状況にあったという。
そのため、市は地元との意見交換など実施。今回、今後の名栗中の在り方の基本方針を定めた。
基本方針は次の5点。
①名栗中学校は令和2年度をもって廃止し、名栗中学校の生徒は3年度より原市場中学校に編入する。
②バスによる生徒の通学手段を確保する。
③生徒の環境変化に対するきめ細やかな学習面、学校生活及び心のケアを行う。
④名栗幼稚園、名栗小学校、原市場小学校、原市場中学校の連携体制を確立。
⑤原市場中学校生徒を名栗地区と原市場地区の交流の担い手の一員と位置付け、両地区の地域間交流を推進する。
市によると、名栗中の生徒数は今後も減少傾向にある。令和3年度、名栗地区に入学学齢生徒がおらず、全校生徒数は4年度で8人、5年度は5人と想定されている。元年度の名栗中の生徒数は16人で、これは埼玉県内413中学校の中で、最少。
小規模校では、クラス替えができず、人間関係が固定化しやすいことで、子ども同士の切磋琢磨が難しくなり、多様な見方や考え方が出にくくなる可能性があると、市は指摘している。
原市場中学校の生徒数は、元年度107人、2年度109人。