コロナで市民生活逼迫 議会4会派が緊急要望
新型コロナの感染者が十分に減らず、緊急事態宣言による措置が埼玉県内では延長され、市民の不安が一層広がり、市民生活が疲弊する中、飯能市議会の保守系及び公明の4会派(みどりの会、NEXTはんのう、飯能みらい、公明党)に属する議員が15日、提言・要望を17項目にまとめた「4会派合同特別緊急要望」を大久保勝飯能市長に提出した。
4会派の議員12人(砂長恒夫議員は当日欠席)は、飯能市議会6月定例会開会を視野に、市の独自事業として17の提言・要望に取り組むように求めた。
最初に、緊急要望提出議員を代表して、みどりの会代表の野田直人議員は、飯能市が、特別定額給付金の申請書の郵送開始を県内では東秩父村とともに最も早く実施したことが、多くの市民から称賛されていることを紹介し、市執行部や市職員の努力を労い、また「個人的な見解になるかもしれないが」と断りながら、議員の視察活動費や政務調査費などを市のコロナ対策費に充ててもらい市に協力できないか、と考えている議員が多数いることなどを明かした。
続いて、公明党の中元太議員が「大久保市政を守っていく、その思いを統一した保守本流。出来うる限りのご高配を賜わるようお願いします」と、議員12人の思いを代弁し、「特別緊急要望」と別紙にまとめられた17の「提言・要望」を紹介した。
その中で、「個人事業主を含む全中小企業に支援金給付と家賃補助(テナント料等)支援金」の項目について取り上げ、「これを市独自に取り組むことによって、地方創生臨時交付金の枠組みも増やすと、国も言っているので、この拡充も是非お願いしたい」と言及し、必要があれば、各議員が17項目の諸施策の趣旨説明を市執行部に行うので「是非検討して頂きたい」と、大久保市長に訴えた。
これに対し、大久保市長は、「今日は、真から応援して頂ける保守本流の12人に、飯能市を良くしたいという熱い思いで来て頂き、心から感謝したい」などと、4会派の議員に対する感謝から話を切り出し、「今回の要望に関しましても、我々もその通りです。今回、2億4000万円の地方創生臨時交付金が来ますけども、今、職員が市民のために何がいいかということを熟慮しています。他市を追随するようなことではなく、飯能市にとって何が今大事なのか、だと思っています。攻めて行く姿勢はこれからも変わらないと思いますが、守る時は守るということも今回は必要ではないか、とも思っています。お金があるからと大盤振る舞いすると、来年の予算が私は本当に心配です。今までいろいろな福祉のことで、予算を使って一生懸命やってきましたが、お金が無くなると、全部出来なくなる可能性があると思います。飯能市はすごいなと、思って頂けるように大胆かつ慎重に、攻めと守りの両刃を使ってしっかりと対応したいと思っています」。
「至らぬ市長ですが、今が正念場、そして市長の手腕の見せ所とも思っています。この素晴らしい提案も踏まえて、職員が最大限の知恵を絞って実践していきたいと思っています」などと答え、税収の大幅な減少が予想される来年度の予算編成をにらみながら、4会派の議員が提言した要望についても検討していくことを約束した。
特別緊急要望は、「新型コロナウイルス感染症拡大と伴に、市民の不安も拡大し、通常の生活も逼迫している状況下で、重々承知とは存じますが、市民の声を代弁し、特別緊急要望とさせて頂きます。大久保市政の一翼を担う、保守本流としての提言、要望です」などと、要望に至った趣旨が記されている。
市の独自事業として取り組むように求めた17項目の提言・要望は以下の通り。
▽「全世帯上下水道料金免除と商品券等給付」▽「全子育て世帯に給付金と市内で使える食事券補助」▽「個人事業主を含む全中小企業に支援金給付と家賃補助(テナント料等)支援金」▽「全児童の教育の保障」▽「教育関連で人材バンク設立」▽「感染拡大時の医療体制の準備強化」▽「固定資産税、都市計画税の追加減免、免除」▽「離職者(内定取り消し者) の市職員臨時雇用」▽「LINEチャットボットコロナ対策Q&A」▽「市民が手作りしたマスクの市の買取り、困った先への無料配布『マスクバンク』」▽「農家、飲食店、食品関係などの困ったの見える化」▽「宅配サービス支援(ウーバーイーツとの連携)」▽「シングル子育て世帯への弁当宅配サービス」▽「飯能市youtubeチャンネル開設」▽「ふるさと納税によるコロナ基金設立」
特別緊急要望を行った4会派12人の議員は次の通り(敬称略、緊急要望記載順)。
▽みどりの会(野田直人、平沼弘、加藤由貴夫、 砂長恒夫)
▽NEXTはんのう(大津力、関田直子、野口和彦)
▽飯能みらい(加涌弘貴、 内田健次)
▽公明党(栗原義幸、松橋律子、中元太)