緊急事態措置を延長 学校等の休業要請継続
新型コロナウイルス感染症拡大防止策として、政府が4日、緊急事態宣言を31日まで延長したのを受けて、大野元裕埼玉県知事は同日、外出の自粛、イベント等に利用する施設の使用停止等の要請、県立学校の休業の要請を引き続き延長し、新たな措置として、県警に対し、マスクの販売や特別定額給付金の支給を口実にした詐欺事件等の防止の強化の要請を実施し、マスクや食料品等生活関連物資の買占めや売り惜しみ防止措置などの強化、職員派遣など市町村への協力要請や、連携を図ることを発表した。
大阪府が発表し、東京都が検討を表明した出口戦略についての言及はなかった。
埼玉県は改めて特定警戒都道府県のうちの一つに、政府から指定された。県では新規の陽性患者数が減少し、感染経路が不明な患者数も減少はしているが、この傾向が継続すると判断することは時期尚早という観点に立ち、緊急事態宣言の延長期間中は、県内全域で緊急事態措置の継続を決定した。
県は、政府が新たに示した「新しい生活スタイル」を県内全域に広げると共に、引き続き「三つの密」徹底的に避け、接触機会の8割低減を目指す。
発表された継続される措置や、新たな措置は次の通り。
【継続措置】
①外出自粛
通院や、食品、生活必需品の買い出しなどを除き、不要不急の外出の自粛要請を継続し、特に、「3つの密」が揃う遊興施設等への外出や集まりへの参加について、自粛を要請する。
②施設使用停止等の要請
学校、映画館、体育館、パチンコ店、図書館、カラオケボックス等遊興施設などの使用停止、イベント開催停止への協力を要請。
保育所、介護老人保健施設などについては、適切な感染症防止対策を講じた上で事業の継続を要請。ただし、保育所、放課後児童クラブについては、医療従事者や一人親家庭などで仕事を休むことが困難な保護者の子どもへの保育等が提供されることを前提に、市町村においては、新規感染者の増加の度合いを踏まえつつ、休園休所を含め、保育等の提供の縮小の度合いについて検討するよう要請する。
その他の様々な事業者等についても、適切な感染症防止対策を講じた上で事業の継続を要請。飲食店での酒類の提供は、引き続き午後7時までとするよう協力をお願いする。
③県立学校の休業の要請
県教委に対し県立学校等の休業を要請。
【新たな措置】
県警に、マスク販売や特別定額給付金の支給を巡る詐欺、休業中の店舗を狙った窃盗などの犯罪等への対策の強化を要請。
【強化する措置】
生活関連物資等の買い占めや売り惜しみ、価格上昇等の防止のため、小売店舗等に対する監視・指導体制を強化し、必要に応じて勧告・公表等の措置を実施。
【緊急事態措置と併せて実施する取組】
①保健所や医療行政への応援体制強化
中止や延期など具体的な事務の仕分けを行い、県庁の体制を強化する。軽症者用のホテルでの業務に従事する職員の感染予防対策を徹底する。
②市町村への協力要請
各市町村長に対し、宿泊施設の運営や保健所の相談業務などに従事する職員の派遣協力を依頼済み。今後も必要に応じて協力を要請し、連携し対策を進める。
③分かりやすい情報発信
ホームページ上で、現在の療養者の内訳を表形式で表示するなど分かりやすい情報発信を実施。今後は、療養終了者の状況もグラフで掲載する。
④県民や事業者からの相談等への対応
様々な電話相談窓口で、県民や事業者からの相談や問合せなどに対応。
⑤国に対する要望
既に大きな影響を受けている経済・教育等の分野について対応するための交付金の拡充などを国に要望。
実際の運用に当たって配分額の範囲で地方の裁量を広く認め、真に柔軟かつ包括的な交付金となるよう要望するほか、ワクチンや治療法、治療薬の開発、高等学校等におけるオンライン教育・学習に係る経費、夏季休業中の授業実施における暑さ対策に係る経費などを要望していく方針。