飛沫感染防止シート寄贈  サインアーテックが飯能市等に

感染防止シートを手にする左から矢口さん、松本さん、吉田管理監、田中部長

 市役所等公共機関やスーパーなどが新型コロナウイルス感染症防止対策を急ぐ中、飯能市茜台の株式会社サインアーテック(山口健二郎社長)が21日、飯能市役所に透明な飛沫感染防止シート10本を寄贈した。市では、市民や市職員の感染防止対策として、20日から市民への対応頻度が高い窓口から順に、飛沫感染防止用に、透明なアクリルプレートやビニールシートの設置を進めている最中。同社の松本春樹営業部課長らから寄贈を受けた田中雅夫財務部長など市職員は、「かなり枚数が必要で、非常に助かる」などと感謝した。

 同社は平成3年、市内の中藤下郷に設立。現在は、大河原工業団地内の茜台に移転し、オンデマンド出力による大型特殊印刷や縫製加工などの事業を展開。塩ビなどの素材にインクジェット出力で、横断幕や店舗ディスプレイなどを印刷しており、横断幕については、歩道橋に掲示されるようなもので、国内最大幅5メートルの生地に、高精細の画質の印刷を1回で行える技術力がある。

 飛沫感染防止シートなどの製造はこれまで手掛けていなかったが、「コンビニや、商店が簡易的な飛沫感染防止シートを張るのを見て、いつも印刷に使っている素材の塩ビなどを使えば、同じような飛沫感染防止シートが製作できるのではと思い付いた」と松本課長。

 「この危機的な時に、地域貢献に協力できれば」(松本課長)と、同社の営業部営業アシスタントの矢口妹子さんが、兼ねてから知り合いだった入間市の松本義明市議に相談。松本市議から、議員仲間として親しくしている飯能市の大津力市議、野口和彦市議にも同社の意図が伝えられ、飯能及び入間両市への飛沫感染防止シートの寄贈が実現した。

 同社の矢口さんは入間市在住で、「会社がある飯能市への地域貢献と、従業員にも入間市民が大勢いることから、両市に協力ができないか、と思い、松本市議に話を持っていたのが始まりです」と経緯を語った。

 寄贈された飛沫感染防止シートは、縦2メートル、横90センチ、透明度の高い塩ビ製で防煙効果もある。

 概ねコンビニなどで使用されている大きさにしたが、現在受注生産で、これより大小さまざまなサイズが製造可能、利用者が使用目的に併せて自由に裁断することも可能という。

 まだ積極的に宣伝・広報は行っていないが、反響が大きく、問い合わせが殺到しているという。

 寄贈式には、両市への橋渡し役を務めた野口飯能市議と松本入間市議も出席。

 飛沫感染防止シートの寄贈を受けて、市のコロナ対策本部の中核となる危機管理室の吉田実危機管理監は、「コロナウイルス感染症の先が見えない状況にあり、サインアーテックさんからご寄付を頂き、大変ありがたく思っています。是非、有効活用をさせていただき、市民はもちろん、市職員も感染しないように、しっかり対策をしていきたい」と、感謝し、寄贈されたシートは、早速市の窓口の飛沫感染防止に活用すると語った。