卒業式のDVD 全市立小中学校の卒業生へ

感謝状を持つ金子社長(中)と、DVDを手にする谷ケ﨑市長(左)、中村教育長(右)

 新型コロナウイルスの影響により、3月中に卒業生と教職員のみで卒業式が実施された日高市立小中学校の卒業生や保護者のため、紙資料のデジタル化、マイクロフィルム作成などの事業を行っている同市梅原の金聖堂情報システム(金子忠弘社長)はこのほど、各学校が記録用に撮影した卒業式の映像をDVD化し、市に計1142枚寄贈した。DVDは高麗、高麗川、高萩、高根、高萩北、武蔵台の各小中学校12校の全ての卒業生に配布される。

 同社の金子社長(45)は高麗小・中学校の出身。新型コロナの影響で市内小中学校の卒業式が規模を縮小して実施されるとの話を聞き、胸を痛めていたという。

 そこで、卒業生や出席できない保護者に少しでも喜んでもらえたらと、各学校で記録用に撮影した卒業式の様子をDVD化したいと市教育委員会に申し出た。同社では文化財資料の電子化、各種メディアの電子化、資料のスキャニング、マイクロフィルム撮影、パソコン・スキャナ・プリンターの販売などの事業を行っており、業務で使用する機材を生かし、学校別にDVD化して寄贈することとした。

 市役所市長室で行われた寄贈式には金子社長をはじめ、谷ケ﨑照雄市長、中村一夫教育長らが出席。金子社長からDVDが中村教育長に手渡され、中村教育長からは「卒業の門出を祝い、思い出を残すために貢献して頂いた」として感謝状が贈られた。

 谷ケ﨑市長は「新型コロナの関係で学校が臨時休校となり、特に卒業式をどうするか考えていたが、私とすれば、卒業式は一生に一度のことであり、何とかやりたいと考え、来賓や保護者の出席を制限して実施した。子どもの姿を見たいと思っていた保護者は多く、今回の寄贈は大変ありがたい」と感謝を述べた。

 3月13日に卒業式が行われた中学校の卒業生にはすでに配布済みで、同24日に卒業式が行われた小学校の卒業生には今月8日以降に配布予定。金子社長は「普段から小中学生とすれ違うと元気に挨拶してくれる。今回の卒業式の話を聞き、卒業生の気持ちを考えたり、保護者が見ることができないのはかわいそうだと思っていた。家族で見てもらえたら」と話している。