空き家管理代行サービスを開始 日高都市ガス
日高市下鹿山の日高都市ガス(塚越二喜男社長)は、新規事業として「空き家管理サービス」を開始した。少子高齢化、人口減少に伴い全国的に空き家が増加傾向にあり、管理が滞っていて周辺住民に迷惑を及ぼす「放置空き家」が社会問題となる中、所有者に代わって空き家を定期的に巡回し管理を行うもの。サービス開始に伴い同社は、「代行サービスの推進により管理不十分な空き家が減ることで、地域の課題解決にもつながれば」としている。
同社は昭和47年創業以来、日高市で都市ガス事業を展開。社会環境の変化や人々の生活スタイルの多様性が進む中、電気、リフォーム、生活支援等のサービス提供を手がけるようになり、「人と街、今と未来へ」をスローガンに掲げて住民の快適な生活の実現に向けた事業を行っている。
今回新たに着手した空き家管理サービスも、こうした理念に基づく事業の一つ。不動産・住宅関連企業が提携する空き家管理の全国ネットワーク「日本空き家サポート」に加盟し、専任の担当者を配置して空き家管理の代行を行う。
具体的な空き家管理の内容は3つのプランから選ぶことができ、月1回・約30分の巡回により屋外の郵便受け確認、簡易清掃・雑草除去、建物外部目視点検、庭木の確認、管理看板の設置を行う必要最小限のプラン「ライト」(月額5000円)。これに加え室内の全室換気、通水、防犯確認、簡易清掃、雨漏り等の確認を行う月1回・約60分の「スタンダード」プラン(月額1万円)。ライト・スタンダードを合わせ室内・室外の巡回を月2回行う「スタンダードプラス」(月額1万3000円)がある。また、マンションの空き家を対象としたプランも用意した。
管理代行を依頼した所有者は空き家管理の報告(レポート)をパソコンやスマホでインターネットの専用ページから見ることができ、管理作業の動画や写真を通じて空き家の様子を確認することが可能。
また、河川の氾濫による浸水や台風による被害など、空き家周辺で緊急点検を要する事態が発生した場合には、緊急時無料巡回点検を実施。緊急時の場合も管理レポートで空き家の様子を確認することができる。
このほか、スタッフからは破損や老朽化している箇所など作業を通じて気付いた点などが所有者に報告されるほか、売買や賃貸など空き家の活用に関する相談にも応じており、同社は「空き家の総合アドバイザー」としての利用を呼びかけている。
増加傾向にある空き家について、日高市では「空家等対策の推進に関する条例」が施行されており、空き家の所有者・管理者の責務として空き家が管理不十分で周辺に影響を及ぼすことのないよう適切な維持管理を行うよう定めるとともに、周辺住民に危険を及ぼすおそれがあるなど緊急性を認めた場合には市が緊急安全措置を施し、要した費用を所有者から徴収することができるなどの具体策が示されている。
同社によると、これまでに事業化している生活支援サービス(ベンリー日高)では、ハウスクリーニング、エアコンやレンジフードの清掃、庭の草刈り、植木の選定、ハチの巣駆除といった幅広い依頼に応えており、こうした利用客の間からは、空き家の維持管理に関する要望も増えていたという。
同社の塚越社長は、「地域に根付いたガス事業者として、お客様の多様なニーズに応える形で住まいと暮らしに関するサービスを展開してきた。空き家管理についてもお声を頂く機会が増え、管理不十分な空き家が減ることで、地域の課題解決にもつながればと考えている。地域の皆様が安心して空き家の管理を任せることができ、喜んで頂けるサービスを目指したい」と話している。
問い合わせは、日高都市ガス989・4041へ。