「有益で発展的高校統合に」 大久保市長が定例会見

会見で議案説明を行う大久保市長

 飯能市(大久保勝市長)は30日、9月6日開会の飯能市議会(平沼弘議長)9月定例会を前に、同会に提案予定の議案や推進する施策などについて説明する記者会見を開催。前回6月の会見は、自宅療養中の大久保市長に代わって上良二副市長が説明役を務めたが、今回は、大久保市長が復帰。少し痩せたものの、これまでと変わらぬ元気な様子で、「飯能高校及び飯能南高校の統合並びに新校に関する協議会の設置」や、「メッツァとの連携と都市回廊空間の構築」などについて説明した。

 県教育委員会から、市及び市教育委員会に対して、両高校統合案が突然示されたことについては、大久保市長は、両校の統合案等を検討する協議会設置までの経緯に触れた後、記者の質問に答え、市長の個人的見解を交えながら、今後の市の方針を語った。

 「今回の県からの突然の唐突な通達・発表には非常に驚き遺憾に思いました。今、発展的な勢いのある飯能市になってきたのに、水を差すような残念な発表でした。今回市と議会が、一糸乱れぬ思いを持って、県の発表に対して、何とかならないのかという思いを発信しました」。

 「その上で、この統合という事も視野に含め、両吾野の統合(3小学校統合、奥武蔵小学校開校)のように、しっかりとした発展的統合もあるのだということで、飯能市にとっても有益なものでなければならず、『統合なら仕様がない』、『統合ですよ』、『はい』と言うわけにはいかない。今後、いろんな事を市は観点に入れて、県にもしっかり努力して頂きたい。是非、県にもご理解頂き、統合に関しては我々にとっても最低限の事はして頂く。飯能市、この地域にとって良かったという風な統合にして頂きたい」。

 「そして、何よりも子どもたちの幸せのための高校だと、どのような統合になるか分かりませんが、飯能高校、飯能南高校に入りたいというような高校になって頂く事が、市にとって有益と思います。情けないような争いにはしたくなく、泥仕合というようなことではなく、これからも発展的な方向にして頂き、魅力ある高校になって頂くことが、我々にとって大きな望みです。つるし上げとか、お互いに罵り合うようなことは絶対に避けなければならない」。

 「保護者、飯能市民、歴史ある飯能高校、飯能南高校の諸先輩方にも、少しでも納得して頂けるような統合にしていきたい。いずれにしても発展的な統合になる事を大きく望みます」。

 「飯能市にとっても大きな課題ということで、統合に関しては、新知事さんにも物を申させて頂き、しっかり要望し、我々の思いはしっかり届けたい」と語った。

 また、地方公務員法等の改正に伴い、会計年度任用職員制度が導入され、採用方法や任期等の明確化が求められるため、市は、議案第59号など関連議案を市議会9月定例会に提案する。会見の中で、4月1日現在、これまでの一般職非常勤職員という制度で運用している職員は446人に上り、新制度への移行により、ざっくりとした概算で人件費が約1億円増えることが分かった。国が、何らかの財源措置を講じるという話はあるが、具体的な負担額については、市に対して明確に示されていない、という。

 そのほか、メッツァ事業については、当初の想定を大きく上回り、メッツァビレッジ開業257日目の7月26日の時点で、早くも来場者100万人(1日約4000人)を突破。また、西武池袋線飯能駅の4~6月の定期外乗降客数は、前年同期比で約19・7万人増、率にして17・4%の増加を記録し、これは、西武線全線の増加率2%を大きく上回り、メッツァ開業の影響が具体的な数値に現れたものと、市は説明した。

 今後、市はスタンプラリーの実施や、市農林産物加工直売所での宿泊事業開始などを通じて、メッツァへの観光客を、市街地をはじめ市内全体に誘う取り組みを強化していく方針という。

 市が市議会9月定例会に提案する議案は、10月1日実施の3歳以上を対象にした保育所等保育料無償化などに伴う「保育所等支援事業(1億3249・1万円)」と、「私立幼稚園無償化事業(1億5951・7万円)」、飯能市農林産物加工直売所関連の「施設管理運営事業」及び「施設整備事業」(合計1億2212万円)などを含み歳入歳出にそれぞれ4億3252・5万円を追加し、総額を297億6009・4万円とする令和元年度一般会計補正予算案(74号議案)、歳入歳出に2億9696・2万円を追加し、予算総額を65億2680・1万円とする介護保険特別会計補正予算案(75号議案)等補正予算案3件、条例案15件、平成30年度一般会計等決算の認定12件、追加提出予定の人事案件2件など計34議案。