幸せ運ぶ「ダーラナホース」 ソグベルクで製作、展示中
認定NPO法人名栗カヌー工房(飯能市下名栗、山田直行理事長)が運営する宮沢湖畔のソグベルク(飯能市宮沢、メッツァビレッジ内)に、「ダーラナホース」と呼ばれる馬の造形物が展示され、来園者の関心を集めている。このダーラナホースは人の背丈ほどあり、若い母親が我が子をダーラナホースの背に乗せ、スマホで撮影する光景も。
ソグベルクは、木製カヌー作りや宮沢湖でのレンタルカヌー、木工のワークショップなどの事業を展開する店舗。メッツァビレッジ西端の湖畔に面して、昨年11月のメッツァ開業と同時にオープンした。
開業以降、人気商品となっているのが、スタッフがケヤキやサクラ、クリなど無垢材から手作りする各種サイズの木製マグカップ。
本場の北欧では、「ククサ」と呼ばれている器で、これを贈られると幸せになると、北欧では古くから言い伝えられている。
当初、名栗カヌー工房のみでの販売だったが、オープンしたソグベルクに陳列したところ、北欧マニアやアウトドア志向の人たちの目に止まり、一躍ヒット商品になった。
もともと、カヌー工房は山田理事長以下、木工の高い技術力を持った技能集団として知られており、近年はテーブルなど家具類の注文も舞い込むほど。
ダーラナホースとは、スウェーデン・ダーラナ地方が発祥の木彫りの馬の民芸品。材木の切れ端を利用、子どもの玩具として作ったのが起源という。
木材の搬出や農耕馬として、同地方の人たちの生活に密着していることもあり、好んで馬が彫られた。全体が赤や青色で着色され、白や黄色などで馬具が装飾的に描かれているのが特徴。
ダーラナホースは、「幸せを運んでくれる馬」といわれ、主にテーブルなどの置き物やキーホルダーなどのアイテムとしても利用されている。
ソグベルクは、北欧の文化も体感できる施設として、ダーラナホースを作るワークショップも開講している。ワークショップ、木製ダーラナホースを製造・販売していることをPRする目的で、今回の大きなダーラナホースを製作した。
大きさは、高さ・全長とも約1・5メートル。木材で大まかな馬の形を作った上に、新聞紙を何重にも張り合わせて成形し、全体を赤色で塗り、ダーラナホースの特徴的な花柄のような模様を白や青色で描いた。製作者は、ソグベルク店長の美大卒の山田理(みち)さん。
馬の姿形を細部まで模写するのではなく、もともとが木彫りなので、あえてざっくりと仕上げることで、作品に温かみが出るようにした。
店頭へ展示したところ、いち早く着目したのが、小さな子どもを連れた若い母親たち。
ダーラナホースの背に我が子を乗せ、スマホで写真撮影する光景が連日、目に付くように。さらに、ダーラナホースの出来栄えを見た本場北欧の来店者からは、「パーフェクト!」との称賛を得たという。
ククサ同様、ダーラナホースも幸せを運ぶ縁起物。ソグベルクでは、慶事の贈答用の一品として添えてもいい、掌に乗るサイズ(10~15センチ)のダーラナホース(西川材製)を、1000円~2000円(税込み)で販売している。
今後、ソグベルクでは店頭で展示中のものより、一回り小さなダーラナホースを青色系で製作し、ペアにする予定。
「幸せを贈る」インスタスポットとしても、さらに熱視線が集まりそうなソグベルク。ただ、撮影のためダーラナホースの背中に子どもを乗せようとする時は、「スタッフに一声かけてください」と呼び掛けている。
問い合わせは、認定NPO法人名栗カヌー工房(979・1117)へ。