新型特急「ラビュー」 西武線の新たな「顔」
西武鉄道(本社:所沢市、若林久社長)は29日、同社の新たな「顔」となる新型特急車両「Laview(ラビュー)」が、3月16日にデビューすることを発表した。同社は、同日実施するダイヤ改正に伴い、既存のレッドアロー号車両から、一部の特急列車をラビューに代えて運行開始する。特急券の前売り開始は、運行1か月前の2月16日午前7時から、西武線特急券発売駅などで始まる。3月16日は、飯能市の宮沢湖畔で、ムーミンバレーパークが開園し、メッツァがグランドオープンする。
ラビューは、現在運行している10000系「ニューレッドアロー」以来、25年ぶりに登場する新型特急車両。これからの同鉄道の未来を担う新たなフラッグシップトレインとして企画され、建築家・妹島和世氏監修のもと、外観・内観共に、今までに見た事のない車両を目指しデザイン・設計された。車両形式は「001系」。
001には、今までにない新しい車両という意味と、次の100年に向けた出発点となる車両という意味をダブルに込め、100年を逆から表し「001系」と表記。また「00」には、「∞(無限)」の可能性の意味も含まれている。英語表記は「001_Series(ダブルオーワンシリーズ)」。
愛称Laviewは、「L」が、贅沢(Luxury)なリビング(Living)のような空間。「a」が矢(arrow)のような速達性。「view」は、大きな窓から移りゆく眺望(view)を表現。
外観上の特徴は、先頭車両の球面形状と、車両側面の大型客室窓。
先頭車両の全面ガラスに、曲線半径が1500ミリ(国内初)となる三次元の局面ガラスを採用。「今までに見た事のない」新型特急ラビューの外観上の大きな特徴になっている。
客室窓は、等間隔に縦1350ミリ、横1580ミリの大型ガラスを配置。沿線の景色を大パノラマで楽しめる。
車体カラーは、アルミ素材の車体に塗装を施し、都市や自然の風景に溶け込むデザインを目指している。
走行中の揺れを低減し快適性を追求するため、西武鉄道では初めて車体動揺防止装置を組み込んだ。
車内インテリアは、座席に背丈サイズに合わせて調節可能な手動式稼働枕と、電源コンセント(AC100V)を設置。従来の背面テーブルの他、座席の肘掛け部にも、座席を向かい合わせにしても使用できるインアームテーブルも設置。また、各車両にWi-Fi、23インチの大型車内ビジョンなども設置されている。
車両入り口のエントランス床材は人造大理石、そのほか女性専用トイレ、拡大鏡などの付いたパウダールームを設けるなど、幅広いニーズに応えた設計となっている。
そのほか、各エントランスに防犯カメラを配置し、AEDの設備があり、車イススペースや、人口肛門等の人用のオストメイト機能付き多目的トイレの設定もある。
今年度から現行の10000系レッドアローと車両を順次入れ替え、来年度中に、すべての編成を置き換え、8両7編成56両が池袋・西武秩父線に投入され、「ちちぶ号」「むさし号」として運行される。
全席指定で乗車定員422席。停車駅は、現行のレッドアローと変わらないが、池袋~所沢駅間が最速19分に短縮される。
特急料金も、現行と変わらず、池袋~飯能駅間が500円(大人)、飯能~西武秩父駅間が400円(大人)。
3月16日に、ラビューで運行される飯能発の一番列車は、下りの「ちちぶ5号」。池袋発が午前7時半、飯能発は8時11分になり、西武秩父駅に8時51分到着する。なお、ちちぶ5号に限り、池袋~所沢駅間の車内で、乗客に記念グッズが配布される予定。また、この列車内で、同鉄道広報部及び報道関係者が、車内で取材・写真撮影を実施し、撮影された映像などは、そのまま公開される場合がある。
上りの飯能発の一番列車は、「ちちぶ20号」。午前9時25分に西武秩父駅を発車し、飯能駅発は午前10時5分、10時44分池袋駅着。
ちちぶ20号での記念グッズ配布や、取材は予定されていない。
3月16日のラビュー運行開始以降の特急券の発売は、16日午前7時から、西武線特急券発売駅、チケットレスサービス「Smooz」、インターネット予約サービス、JTB各店舗などで取り扱う。
また、同社ではラビューのお披露目イベントや、出発式等の開催も計画しており、今後、詳細は順次発表される。
イベントやラビューの運転時刻などの詳細は、特設Webサイトhttps://www.seiburailway.jp/railways/laview/などにアクセス。
電話での問合せは、西武鉄道お客さまセンター(04・2996・2888)。