台風接近で暴風、爪痕残す 各所で倒木や家屋被害

前田公園ではヒバ2本が倒れ市道を塞いだ

 台風24号が埼玉県に最も接近した30日夜から1日未明にかけて、飯能・日高地方も強い雨風に見舞われた。台風に伴うけが人の報告はなかったものの、暴風の影響により各所で倒木や家屋などの破損が見られた。また、南高麗地区の97軒で長時間にわたり停電となったのをはじめ、各所で停電が発生。北川地内の林道では土砂崩れがあった。台風が去った後も、鉄道が倒木の影響で運転を見合わせるなど、市民生活に大きな影響を及ぼした。

 飯能市新町の前田公園では、公園内の高さ約9メートル、幹回り約2メートルのヒバ2本が折り重なるようにして市道側に倒れ、電線を巻き込むようにして道路を塞いだ。30日午後1145分頃に通報を受けた消防隊が現場に駆けつけ道路を通行止めにして安全を確保。1日には東京電力職員などが電線の状況を確認し、電線復旧後、市が倒木の撤去作業に取り掛かった。

 付近住民は「ドスンという大きな音がしたので外を覗くと、すぐに消防車が来て道を封鎖しているのが見えた」「午後11時半頃にテレビを見ていたら停電してしまった。電気以外に大きな被害はなかったが、怖かった」と振り返り、「明るくなるまで外の様子がどうなっているのか分からなかったが、こんなに大きな木が倒れたなんて」と驚きの表情を見せた。

 飯能市危機管理室によると、飯能ではこのほか、電柱の倒壊や建物のトタン屋根が飛んだなどの被害があった。吾野地区では1世帯3人が同地区行政センターに自主避難した。

 日高市危機管理課によると、日高では道路や住宅に影響のある倒木が約30件、電線の断線、屋根が飛ぶなど家屋被害の報告が数件あった。このほか、曼珠沙華まつりを終えた巾着田でも群生地や遊歩道沿いなど数か所で倒木が見られた。

 鉄道はJR八高線が30日午後8時以降、八王子~高麗川間を運休、1日も倒木の影響で八高線や川越線が一時運転を見合わせた。また、西武線は午後10時以降順次運休し、池袋線は1日も入間市~仏子間で倒木があり飯能~小手指間などで一時運転を見合わせた。