アジア大会初の金メダルに貢献 ホッケー男子日本代表

大久保市長へ金メダル獲得を報告する北里選手(右)

 

 飯能市役所スポーツ課に勤務し、同市を拠点に活動するホッケーチーム「アルダー飯能」に所属する北里謙治選手(29)が、8月20日から9月1日までインドネシア・ジャカルタで行われた第18回「アジア競技大会男子ホッケー競技」に男子日本代表メンバーとして出場。男子ホッケー競技において、アジア競技大会初の金メダルを獲得し、日本男子ホッケーとして昭和45年のバンコク大会での銅メダル以来48年ぶりの快挙を成し遂げた。4日には金メダルや代表ユニフォームを手に、大久保勝市長へ優勝報告を行った。

 12か国が出場したアジア競技大会は、2組に分かれて1次リーグを行い、世界ランキング(WR)16位の日本は、4勝1敗の2位で予選を通過。準決勝でWR13位のパキスタンと対戦し1‐0で勝利。決勝をWR12位のマレーシアと対戦し、6‐6でSO(シュートアウト)戦に進み3‐1で優勝を勝ち取った。

 北里選手は、ミッドフィルダー(MF)として、攻撃面では味方からのパスをフォワード(FW)に繋いで試合を組み立て、守備面では相手MFをマークしパスカットを狙うなど、試合の流れを見て戦局をコントロールする重要なポジションとして、全7試合すべてに先発出場し、優勝に貢献した。「優勝が決まった瞬間は、夢のような気持ちだったが、大会が終わってから実感として沸いてきた。メダルを取ることを目標に取り組んできたので、全員で戦ってしっかりと結果を残すことができてよかった」と優勝を振り返った。

 北里選手は熊本県の出身。小学校3年生のときに地元のスポーツ少年団でホッケーを始め、才能を開花。中学、高校と全国大会で活躍し、強豪校として名高い山梨学院大学へ進学。現在は飯能市役所スポーツ課に在籍しアルダー飯能に所属、日本代表入りしてからは第3回ワールドリーグRound2優勝、第10回アジアカップ5位入賞など、中心選手として活躍している。

 報告会には、大久保市長をはじめ、上良二副市長、野田直人市議会議長、大津力副議長、内沼博史県議、今井直己教育長、新堀寛飯能ホッケー連盟会長、加藤由貴夫同連盟副会長、岡部素明飯能市体育協会長、アルダー飯能藤島弘介監督など関係者が出席。

 大久保市長は、「アジア大会で見事金メダルという素晴らしい成績を残してくれた。小・中、高校生のホッケーをやっている選手にホッケーで金メダルを取れる、と勢いを与えてくれた。この金メダルは飯能の誇りのみならず関東、日本の誇り」と祝福した。

 現役時代はホッケーの名プレイヤーとして知られた今井教育長は、「本人の身体能力、気持ちがメダルに届いたのだと思う。ミッドフィルダーとして、スピードやパワーが並外れている」と今回の活躍を称えた。

 北里選手は、2年後の東京オリンピックに向けて「代表としてはポジションがミッドフィルダーなので、チームのリンク役として、しっかりとフォワードにパスを出し、チームの勝利に繋がるアシストをしていきたい」と意気込みを語った。

 また、これまで競技を通して触れてきたホッケーについて「スピードが他のスポーツよりも速く、人の動きが激しく攻守の展開も速いのが魅力。今回金メダルを取ることができたのは、応援してくれる人がいてくれたおかげ。目標を持って夢を諦めずに努力を続けることが結果に繋がる」などと話し、ホッケー選手を目指す後輩たちにエールを送った。