日韓交流の懸け橋に 日高ロータリークラブが案内

 学生時代にロータリー米山記念奨学会の援助を受けて韓国から日本へ留学し、現在、韓国ソウル市のサンミョン大学の教授を務めるチョ・キョホンさん(43)と同大学の学生15人が日高市を訪れ、日高ロータリークラブ(小坂雅彦会長)の案内を受け市内を見学した。チョさんが留学中、同クラブが世話役を務めた経緯があり、今回、大学で日本文化を学ぶ学生たちの研修の一環として高麗神社、聖天院、長澤酒造、日高市役所などを巡ったほか、同クラブの例会に参加し会員と交流を深めた。

 チョさんは米山奨学金の援助を受けて2年間、早稲田大学に留学。日高ロータリークラブが世話クラブとしてチョさんのサポートを行っていたことから、在学中は頻繁に日高を訪れ、多くの会員や市民と交流を深めたという。

 現在はサンミョン大学の教授となり、今回、韓日文化コンテンツ学科の学生たちを連れて日本へ研修に訪れた。学生たちは日本語や日韓の文化、文書・音声・映像・ゲームソフトなどに関するコンテンツ産業などを学んでおり、今回の研修は2週間の日程で日高のほか、都内周辺の名所旧跡や観光地、大学、コンテンツ業界などを訪問した。

 日高市は日韓文化交流の名所として学生たちに紹介され、北平沢の長澤酒造で日本酒の製造工程などを学び、日高市役所で谷ケ﨑照雄市長と面会。高句麗とのゆかりが深い高麗神社、1300年の歴史を持つ高麗郡の初代首長で同神社の祭神となっている高麗王若光(こまのこきしじゃっこう)の菩提寺となる聖天院を訪ねた。

 日高ロータリークラブの例会では小坂会長をはじめ会員たちの歓迎を受け、昼食を囲み歓談。高麗神社では職員の説明を受けながら、社殿や国指定文化財の高麗家住宅を見学した。

 見学を終え、3年生のキム・ジンヨプさん(23)は、「歴史を学び、日本と百済の関係が深いのは知っていたが、日本が高句麗とも深く関わりがあったというのは初めて知った。韓国と日本は非常に近い存在。政治の問題は別として、私たちが文化的な交流を進めていくことが大切だと思った」。

 日高市と友好都市を締結しているオサン市出身の1年生、ベ・ジヒョンさん(19)は、「日高市に高麗神社があるというのは知っていたが、実際に訪問できて嬉しかった。歴史的にゆかりの深い地を訪ね、感動した」と感想を語った。

 学生たちを連れて再び日高を訪れたチョさんは「学生たちはアニメなどをきっかけに日本の文化に関心が高い。私は都会だけではなく、日高市のような地域の文化こそが、日本の文化を象徴するものではないかと思っている。また、韓国とゆかりの深い地域を体験することで、さらに日本文化を勉強し、これからの日韓交流の懸け橋になってもらえたら」と笑顔を見せた。