中小企業の持続的発展を 「日高の企業を元気に」
日高市商工会(猪俣利雄会長)の第58回通常総代会が同商工会館で開かれ、平成29年度事業報告、同収支決算、30年度事業計画、同収支予算などが承認された。また、任期満了に伴う役員改選が行われ、会長に猪俣氏(猪俣産業)、副会長に新堀寛氏(新堀製作所)、嶋崎孝司氏(西武酪農乳業)がいずれも再任(任期は33年5月28日)されたほか、退任役員への感謝状贈呈が行われた。同商工会の平成29年度末の会員数は1391人。平成13年度以降17年間連続して会員数を純増しており、今年度も地域商工業者の指導団体、地域に役立つ商工会として関係機関と一層の連携を図りながら事業を推進するとともに、会員増強や収入増加策を図り財政健全化に取り組むとしている。
30年度事業計画の重点項目は、商業・工業・建設業・サービス業振興対策、70会員以上の新会員の加入促進・組織率79%以上、商工共済の加入促進、自主財源の確保、記帳機械化の拡大、中小企業共済制度への加入促進、事業主・家族・従業員の生活習慣病対策。
経営改善普及事業として、230事業所を対象とした経営指導員による巡回指導、窓口相談指導、講習会・講演会の開催、専門指導員による商店・工場の診断、金融の斡旋、税務・労務・共済等の事業主の事務代行、創業支援、経営革新支援の促進。
地域総合支援事業として、商業振興、工業振興、建設業振興、サービス業振興、金融対策、税務対策、労務対策、青年部・女性部対策、青色申告部対策、商工共済事業、広報活動、福利厚生対策など項目ごとに具体的事業を挙げた。
主な事業としては、創業を目指す人を対象とした創業塾の開催、円滑に会社の経営を後継者に引き継ぐための事業承継支援事業、若手経営塾、女性経営塾、災害時に会員事業所の安否確認や被害状況等を早期に把握し対応できるようBCP(事業継続計画)事業などを予定している。
猪俣会長は「景気は緩やかな回復基調が続いていると言われているが、商工会の多くを占める中小企業・小規模事業者にとっては、労働人口の減少、社長の高齢化、後継者の問題などさまざまな問題が山積している」とし、「昨年12月には埼玉県小規模企業振興基本条例が施行され、県内の小規模事業者の振興策に対する支援を行うという文言が明記され、改めて商工会に対する期待が大きくなっている。当商工会としても会員の経営計画の策定、各種補助金の申請等を推進することで小規模事業者の持続的発展、経営力の強化など会員に寄り添った商工会を目指している。経営革新計画の策定支援、持続化補助金の申請、事業承継セミナーの開催や創業支援、多くの事業を通して、会員の皆様に少しでも役立つ商工会となるよう邁進したい」と抱負を語った。
全議案承認後、来賓を代表して谷ケ﨑照雄市長、大川戸岩夫市議会議長、小谷野五雄県議が挨拶に立ち、谷ケ﨑市長は「私は市長就任以降、市内の企業訪問を行っているが、社長さんとの話で共通しているのが、人材確保が大変だという点。大手でも人が足りない状況にあり、中小企業の皆さんは特に苦労されている。昨年、商工会から要望頂いている小規模企業振興に関する条例の制定については、現在、内容を検討しており、なるべく早いうちに案を作りたい。日高市が元気になるためには、市内の企業に元気になって頂くことが不可欠。市としても一生懸命支援して参りたい」などと述べた。