3月グランドオープンへ ムーミンバレーパーク

ムーミン屋敷と展示施設のイメージ© Moomin Characters TM

 飯能市の宮沢湖周辺で北欧のライフスタイルやムーミンの物語の世界観を体験できるレジャー施設「メッツァ」の整備を進めているフィンテックグローバル社(東京都品川区、玉井信光社長)とムーミン物語(東京都品川区、ロバート・ハースト社長)は12日、有料エリアの「ムーミンバレーパーク」のグランドオープンを来年3月に決定したと発表した。

 エリア内には、ムーミン一家が暮らす「ムーミン屋敷」をはじめムーミンの物語を追体験できる数々の建物やアトラクション、物語の魅力や原作者トーベ・ヤンソンの思いを感じることができる展示施設、世界最大級の品揃えとなるムーミンのギフトショップ、地元食材を使った北欧とムーミンの世界観を融合したオリジナルメニューを楽しめるレストランなどが予定されている。入場無料エリアの「メッツァビレッジ」については今年11月の開業が決まっている。

 ムーミンバレーパークの敷地面積は、水面部分を含まず約7・3ヘクタール。現地では11月開業のメッツァビレッジと並行して主要施設の整備が進んでおり、3月末にはその整備状況が報道機関に公開され、いよいよ姿が見えてきたと市民の関心も一層高まっている。

 今回の発表によると、ムーミンバレーパーク内の主要施設(名称は全て仮称)のうち、「エントランス施設」は、ムーミンの物語が描かれた「本」のゲートをくぐり抜け、この先に待つムーミンの世界に期待を膨らませながらムーミン谷へと向かう入口。施設内には、さまざまなパンケーキを楽しめるレストランやショップがあり、ムーミンの世界を楽しむためのグッズなどが用意される。

 「ムーミン屋敷」は地上3 階と屋根裏部屋、地下室からなり、ムーミン一家やその仲間たちの存在を感じてもらえるよう、原作を忠実に再現。地下室は食糧が保管してある貯蔵庫、1 階はキッチンとダイニング、2 階はリビングとムーミンパパ・ママの部屋、3 階はムーミンの部屋とリトルミイの部屋、屋根裏部屋はムーミンパパの書斎。

 地上3階建ての「展示施設」は、1 階は世界最大級の品揃えとなるショップとムーミンの物語をテーマとしたメニューを楽しめるレストラン。2階はムーミンの物語や原作者トーベ・ヤンソンを、作品展示や映像上映により多角的・多面的に紹介。展示の余韻を楽しむためのカフェや厳選されたムーミングッズが揃うセレクトショップのほか、ストーリーに基づいたものづくりやトーベ・ヤンソンの作品にまつわる創作体験などができるワークショップも。3階では、物語の様々なシーンを巡りながら物語の魅力を体感できる。

 「海のオーケストラ号」は、勇気や挑戦、友情、家族の絆をテーマとした、体感モーフィングシアターの手法を用いたアトラクション。物語に登場する「海のオーケストラ号」に乗って、ムーミンたちと一緒に冒険に出かける。壁面や床面に加え、造形物にも映像を投影し、これまでにないユニークな演出により臨場感のある体験が楽しめる。

 また、ムーミンとその仲間たちによるライブエンターテインメントが繰り広げられる「エンマの劇場」、子どもたちが自然の中で元気一杯に遊ぶことができるアスレチックやツリーハウスが点在し、頂上には天文台、湖を横断飛行するジップラインのスタート地点がある「おさびし山」のほか、「水浴び小屋」「灯台」などムーミンの世界を再現した建物が各所に整備される。

 ムーミンバレーパークの企画運営事業を進めるムーミン物語は、国内最大手の翻訳出版権エージェントでムーミンのライセンスを管理しているタトル・モリ エイジェンシー(東京都千代田区)、ムーミンに関する全ての著作権を保有するフィンランドのMoomin Characters Oy Ltdとの3社の出資により著作権の譲渡契約や利用契約の仲介など、日本における「ムーミン」のライセンスを一括管理する新会社として今年3月に「ライツ・アンド・ブランズ」を設立した。