オスプレイ配備の撤回を 共産党市議団が市に申し入れ

飯能などの防音区域を示した地図で、横田基地の北側空路を確認する党市議団(右4人)と上副市長ら

 米空軍輸送機CV22オスプレイが当初計画を前倒しして、在日米軍横田基地に今年夏頃にも配備されるとの報道を受け、共産党飯能市議団(金子敏江、滝沢修、山田利子、新井巧議員)は9日、大久保勝飯能市長に「市は横田基地の空路下、訓練空域下であり、市民の生命を一層脅かす」として、オスプレイの配備撤回を求める申し入れを行った。

 共産党市議団の申し入れは、大久勝市長に対してのものだが、同市長は公務を理由に会見の場には出席せず、代わって上良二副市長が職員とともに対応した。

 市議団の中で、特に横田基地問題や在日米軍機に精通している滝沢議員が申し入れの趣旨を概略説明。

 同議員は、横田基地での現行訓練に加え、「CV22も訓練をするとなると、通常の離発着だけでなく、飯能の上空も訓練空域と化してくるのではないか」と強い危機感を見せ、「危険度が高いオスプレイなので、配備撤回をすべき。市は日本政府や在日米軍に申し入れてほしい」などと主張。

 「オスプレイが横田基地に5機到着している。本来であれば2019年10月頃からの配備と聞いていたが、随分と早まって配備される。3月16日には外務省もつかんでいたのにも関わらず、発表も横須賀に着く直前だった」と憤った。

 申し入れ書では、在日米軍機は落下物事故や不時着など、この1年間頻繁に重大事故を発生させていると指摘。「横田基地にCV22オスプレイが配備されれば、関東一円で危険な訓練が行われることになる。特に、飯能市は米軍機の横田基地への離着陸の空路下、訓練空域下であり、市民の命と安全・安心を一層脅かすものとして絶対に許されない」と訴え、周辺自治体と共同して日本政府及び在日米軍に、CV22オスプレイの飛来・訓練、配備増強の計画について撤回を求めるよう要請した。

 会見の中で、金子議員がオスプレイ前倒し配備で飯能を含む3市が見解を発表したことに触れると、上副市長は「オスプレイの安全に対する市民の懸念が、まだまだ払拭されていない段階。そこで、地元自治体に説明のないまま、このようなことが行われたことについては、極めて遺憾という言葉でお願いをした」などと説明。その上で、「現段階においては近隣自治体と力を合わせて、この問題について基地対策協議会にきちんと申しましょうということになっている」と市としての今後の方針について明らかにした。

 また、席上、担当職員から、オスプレイ前倒し配備の報道発表が先になってしまったことに、防衛省北関東防衛局からお詫びの電話が市に入ったことを報告。その電話の中で、「説明を必要とするかどうかという話になったので、それではこちらに来て頂いて説明をして下さいという話をした。日程調整を行い、担当者が来てくれることになった」ということが明かされた。

 飯能市上空が訓練空域になることなどを不安視する市議団に対し、上副市長は「情報をきちんと収集し、お伝えできることはお伝えしたい」と約束した。