オーディオ用スピーカー「西川バックロードホーン」 カヌー工房が地元スギ材で開発
飯能市名栗湖畔で、西川材を加工してカヌーや家具などを製造・販売している認定NPO法人名栗カヌー工房(山田直行理事長)が、培った技術力を生かして、新たな商品を開発した。
新開発したのは、名栗地区の山林から切り出された西川材のスギを用いた、オーディオ用スピーカー。名付けて「西川バックロードホーン」。
サイズは、高さ40センチ×横16センチ×奥行き20センチ。前面上方に直径約10センチのスピーカーが付いている。
箱状の内部には、天上部分とやや下方部から2枚の板がそれぞれ上下方向、交互に突き出すような形で取り付けられ、〝音の道〟が蛇行するようにデザインされたもの。同構造は、一般的に「バックロードホーン型」と呼ばれ、低音に特徴があると言われている。
使われたスギ材は、すべて1・5センチの厚さに統一され、木目の美しさや木材の経年変化、優しい手触りを感じてもらうため、あえて未塗装で完成品とした。
釘やネジなどの金属は、スピーカー本体の取り付けを除いて一切使っておらず、木材は接着剤で固定した。
肝心の音質について、同工房理事長で製作者の山田さん(67)は、「バックロードホーンは、小さなスピーカーでも低音が良く出ます。計画段階から音質は良いはずと思っていましたが、実際に完成すると、良好な音質で驚きました。聞いて頂いた方からは、『これは、とても良い』とのお褒めの言葉も頂きました」と話す。
今回、開発したサイズが最小で、価格は一個1万円。サイズについては、使用者の嗜好があるため、同工房では希望するサイズの注文に応じる。製作期間の目安は1週間ほどという。
山田さんは、「工房では西川材のスギで、カヌー、ヨットを中心に家具、小屋、賞品用トロフィー、手書きイラスト入り看板、ゴム鉄砲などさまざまな木製品をこれまで製作していますが、今回のスピーカーは工房における西川材利活用の新たな方向です」と期待に目を輝かす。
「西川バックロードホーン」についての問い合わせは、名栗カヌー工房(979・1117)へ。