ムーミングッズ貰えません 地元市民への返礼品廃止
人気のムーミングッズなど、市民は入手困難に──。飯能市は、地元市民からのふるさと納税に対する返礼品の贈呈を、今年12月いっぱいで廃止する。今年4月1日の総務大臣通知を受けての措置。
地元飯能市民が飯能市に対して行うふるさと納税への返礼品廃止は、今年4月の総務大臣通知「ふるさと納税に係る返礼品の送付等について」に基づくもの。
ふるさと納税制度は、故郷や地方自治体を応援する気持ちを形にする仕組みとして、平成20年度に創設されたもの。が、近年は自治体間の返礼品競争が過熱。高額な品物や、換金性の高い返礼品が用意されるなど、ふるさと納税の趣旨に反するような行為が一部の自治体で見られていた。また、返礼品がオークションなどに出品され、高値で取り引きされた例もあった。
総務大臣の通知内容は、これらを踏まえ、▽返礼品の送付を強調してふるさと納税を募集することを慎む▽返礼品として3割を超える返礼割合のものを送付している地方団体においては速やかに3割以下とすること▽ふるさと納税の趣旨を踏まえ、各地方団体は当該地方団体の住民に対し返礼品を送付しないようにすることなどを求めた。
「生まれ育った故郷を離れており、その故郷に納税して恩返しをしたい」というのが、ふるさと納税本来の目的。飯能市は今回の国の要請に基づき、地元市民への返礼品贈呈を今年12月31日で廃止することを決めた。
これにより、飯能市民についてはムーミングッズなど人気の限定商品が手に入らなくなるが、市は特別な救済措置等は設けないという。
市によると、平成28年度のふるさと納税寄付件数は7440件、約1億6751万円で、このうち飯能市民からの寄付については862件、金額では約2000万円だった。
市民寄付への返礼品廃止について、担当の市賑わい創出課は「多くの市民の方から応援を頂いていることに心から感謝する。(返礼品は贈呈できなくなるが)ふるさと納税自体は、飯能市にすることができるので、引き続き飯能市を応援して頂きたいと思う」と理解を求めている。
ふるさと納税についての問い合わせは、飯能市賑わい創出課978・5093へ。