市内外から運営事業者公募 子どもの森公園の飲食店
飯能市は、同市阿須の「トーベ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園」で、新たな施設となる飲食店の建設工事に伴う樹木の伐採作業に入った。オープンは来年4月。8日開かれた市議会常任委員会の経済建設委員会(松橋律子委員長)で、同飲食店の管理者公募、提供する料理などについて質疑が行われ、公園利用者に関心の高い飲食店メニューについて、北欧感のあるファストフードとコーヒーなどが考えられていることが、市答弁から分かった。
名称にムーミン童話の作者トーベ・ヤンソン氏の名前を冠して、今年6月1日に改称された「トーベ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園」。世代を超えてさらに愛される公園にと、園内に建設されるのが、飲食提供とともに物販機能も有する新店舗だ。
建設場所は、公園東側にある「水浴び小屋」の北西側。建物は木造2階建てで、延床面積は約99平方メートル。入口正面に厨房、右側にトーベ・ヤンソン氏の書籍などの展示スペースと売店、左側に休憩スペースが配置される。
設計は、園内の建物を設計した都内の村山建築設計事務所が担当。開園しながらの工事については公園利用者の安全確保が難しいことから、市は9月4日から同18日までと、年明け1月5日から3月31日までの2回、施設を臨時休園して作業を進める。
同飲食店では北欧を連想させる食事を提供する。また、施設の運営者については募集要項を制定後、広く公募し選定することなどが、9月議会前の全員協議会などで市から説明されている。
9月議会で市長提出された議案のうち、付託案件の可否を審議する経済建設委員会では、あけぼの子どもの森公園に新設される飲食店関係の「第65号飯能市都市公園条例の一部を改正する条例」を審議。
同議案は、阿須運動公園売店の使用料1か月1万5000円(公園進入路近くにあった「森の店」使用料)を廃止し、トーベ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園内に新たな施設として整備を進めている飲食店の使用料について1か月2万5000円に定めるもの。今回の条例では、公園管理者(市)から公園施設を管理する形での許可を受けた者に対して使用料を定める。
委員、市担当者との主な質疑は次のとおり。経済建設委員会の構成は松橋律子、関田直子、新井重治、平沼弘、金子敏江、加涌弘貴議員の定員6人。
▽委員=飲食店管理とあるが、中の売店も管理するのか。売店商品について、市の意向も伝えるのか。
▽市=詳細については選定委員会で決めるが、今、考えているのはトーベ・ヤンソンさんに関わる物を売店では売りたい。それに飯能らしさというか、決定はしていないが、担当者レベルではあけぼの子どもの森公園のオリジナル的なグッズも商品の中に加えて頂きたいという話はしている。建物すべてを管理して頂くような形でお願いする。
▽委員=使用料が1か月2万5000円は、民間感覚からいうとお得。使用料金の規定などはあるのか。
▽市=使用料については、森の店の算出方法と基本的な考え方を合わせること、県内他市の使用料を参考とし、飯能市の考え方と調整すること、トーベヤンソンあけぼの子どもの森公園の魅力アップに貢献して頂ける事業者選定を行うことが、最大の目的であるため、使用料金が公募を妨げないことの3点を整理した結果、2万5000円となった。
▽委員=公園の管理と飲食店運営の関係は。
▽市=公園管理全体については、今現在も市の直営で管理している。今回、その飲食店のみについて管理して頂く事業者に対して、公園の使用許可を出して管理して頂くもの。
▽委員=飲食店と言っているが、これまでファストフード的なものとの答弁がある。ファストフードというと、電子レンジでチンするとか、調理したものをそこで温めるとか、その程度であり、ここで本格的な調理をするイメージはない。冷凍食品的なもので北欧風の飲食の提供は可能なのか。
▽市=フィンランドの国民一人あたりのコーヒー消費量は世界一。シナモンロールと苦いコーヒーという形がフィンランド国民には好まれている。ベリーパイとかクリーム風味のサーモンスープとか、そういったものが北欧の定番料理という。
▽委員=飲食店といってもファストフード。そこで調理して本格的なディナーとして出すとか、そういったものではない。冷凍食品とかお菓子を出しながら北欧風のコーヒーとか。
▽市=今後、いろいろな発展があけぼの子どもの森公園にはあると思う。まずは、そういったところから始めたいということ。例えば、いろいろな形でメニューが増えて、コース的なところまでいけば、一層の魅力アップにはつながると思う。
▽委員=当初予算に建設費が計上されている。全部で1億3600万円。工事請負費が1億1500万円、設計委託料が800万円など。
▽市=飲食店については3月議会に9500万円という補正を頂いている。これは設計が1000万円で、建築工事費が8500万円。ここで、設計がほぼ終了したので、発注手続きに入っている。
▽委員=建物で8000万円はゴージャス。その内容は。
▽市=図面を見る限りでは、「きのこの家」(園内施設)があるが、そういった中で飲食ができると。多少なり、仕掛けというか、そういったものもある。
▽委員=店の中に展示スペースがあるが、「森の家」(園内施設)にも展示スペースがある。そことの兼ね合いは。
▽市=飲食店内の展示スペースは、トーベ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園ということで、トーベ・ヤンソンさんの作品などを展示したい。
▽委員=今、あけぼの子どもの森公園の指定管理者の話が出ているが。
▽市=トーベ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園は飯能市のイメージアップにつながる公園なので、慎重に検討している段階である。