28年度温室効果ガス排出量 市事務・事業全体で削減も指定管理施設で増加 

 地球温暖化の原因とされている二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガス。飯能市は、市の事務・事業に伴う温室効果ガス排出量の削減目標を定めた「飯能市事務・事業に係る温室効果ガス削減行動計画」に基づき、各事業で消費するガソリンや灯油などの省エネルギーに取り組んでいるが、平成28年度については指定管理者による管理施設を除いたすべての事業で、基準年となる24年度の排出量を維持、または下回った。

 温室効果ガスは、二酸化炭素やメタンなど地球に温室効果をもたらす気体で、地球温暖化の原因とされている。

 市は、平成25年度に市のすべての事務・事業から排出される温室効果ガスについての削減目標を定める市事務・事業に係る温室効果ガス削減行動計画を策定した。計画の期間は、平成24年度を基準年に、26年度から30年度までの5年間。

 行動計画では、市のすべての事務・事業を「市民生活関連事業」「市民利用施設事業」「教育関連事業」「オフィス事業」「指定管理者管理施設」に区分し、それぞれの事業ごとに温室効果ガス排出量の削減目標を設定している。

 市民生活関連事業は、水道、下水道、一般廃棄物処理など市民生活に欠かせない施設等を管理する事業。市民利用施設事業は、地区行政センター、市民会館、あけぼの子どもの森公園、図書館など。教育関連事業は、小・中学校、幼稚園、保育所に関連する事業。オフィス事業は本庁舎や別館、第二庁舎など職員の事務の執行に関連する事業。指定管理者管理施設は福祉センター、都市公園運動施設、東吾野医療介護センター、さわらびの湯、カヌー工房などが含まれる。

 28年度の各事業で排出された温室効果ガスの状況を見ると、目標を24年度の水準維持とした市民生活関連事業については、結果16・7%の削減となった。24年度比で増加した主な項目は自動車の使用による軽油74・7%、A重油10・6%、浄化槽の処理15%。減少したものは一般廃棄物の焼却25・4%、ガソリン16・3%、液化石油ガス27・3%、電気6・5%などとなった。

 市民利用施設事業全体の温室効果ガス排出量についても、目標値である2・7%削減(平成30年度までに)を大きく下回る26・4%という結果。減少した主な項目は灯油93・5%、液化石油83・1%、都市ガス22・6%、電気24・5%。これらは、暖冬によるものや日頃の節電などが要因という。

 また、カーエアコンの車両数は26台で、走行による温室効果ガス排出量は、2・9%減少した。

 他の教育関連事業、庁舎業務などのオフィス事業についても、温室効果ガスの排出は基準年の水準を維持または削減し、良好な達成状況。ただ、その中にあって指定管理者管理施設だけが、24年度の水準を全体で3・4%上回り、目標達成に至らなかった。

 指定管理者施設で減少した項目は、自動車使用による軽油40・1%、電気14・5%、ボイラー等における燃料の使用45・2%。増加した主なものとしては、灯油が44・8%、ガソリンが35・3%、いずれも24年度の基準年を上回った。また、カーエアコンの車両数は24台となり、走行による温室効果ガスの排出量は54・9%増えた。

 指定管理者施設で灯油使用が増えたのは、対象の一施設でそれまでの木質ペレットを燃料に用いていたボイラー等が老朽化したことが原因。市環境緑水課によると、24年度基準年の同施設年間灯油使用量は2万8270リットルだったが、木質ペレットから灯油へと切り替えたことにより、28年度は6万2900リットルに増加している。