SL臨時列車や新駅設置 八高線・川越線の増便・複線化など要望
西8区(日高市)選出の小谷野五雄県議が会長を務める「埼玉県議会八高線・川越線沿線活性化議員連盟」が、JR東日本大宮支社(中村知久支社長)へ「JR八高線及び川越線に関する要望書」を提出した。要望書では、八高線・川越線の増便や複線化、高麗川駅以北の電化をはじめ、観光振興のためのSL等の臨時列車の早期実現、埼玉医大国際医療センター付近への新駅設置などを求めている。
同議員連盟は八高線・川越線沿線の地域から選出された県議で構成され、沿線地域の活性化を図るとともに、八高線高麗川駅以北の電化や八高線・川越線の増便、複線化を推進し、沿線の豊かな自然を保全しながら、産業発展と観光振興に向けた研究・諸活動を実施することを目的に活動。JRに対しては今回の大宮支社のほか、八王子支社、高崎支社へも要望を行う。
「沿線では、2018年秋メッツァビレッジ・2019年春ムーミンバレーパークの開業、霞ヶ関カンツリー倶楽部は2020年東京五輪ゴルフ競技の開催会場になるなど、かつてない活性化の気運が訪れている。一方で、川越駅~高麗川駅間の列車本数の減便に対しては、沿線の大学・通学利用者から、通学時の利便性の確保や下校時の帰宅時間の遅れといった具体的な声が当議員連盟に寄せられている」。
こうした経緯を踏まえた提出された要望の内容は、「総論」として、災害発生後に列車運行を早期再開できるよう人員配置体制の整備や予備電源の確保を行うことや、列車の増発、駅施設のバリアフリー化、ホームドア・内方線付き点状ブロック設置や視覚障害者への声かけサポートなどの転落防止対策、点字ブロックを使用し歩行する際の柱への衝突・柱を避けた際の線路への転落防止のため柱にクッションをつける等の対策、駅でのWi-Fiサービス対応の拡大、電車特定区間に指定し割安な運賃とすること、鉄橋の防風対策、駅ホーム・跨線橋に上屋根設置。
また、「地域活性化」として、駅施設に県の観光ポスター掲示、観光イベント集客事業を地元自治体と協働により実施、観光振興のためSL等の臨時列車の早期実現、東京オリンピック・パラリンピック開催に向けてSL記念列車等の運行、鉄道写真が安全に撮影できる場所の設置。
路線別の要望として、八高線関係については、①高麗川駅における川越線との列車接続時間の短縮②高麗川駅~高崎駅間の電化・複線化③八王子駅~高麗川駅間の複線化④埼玉医大国際医療センター付近に新駅設置⑤金子~箱根ヶ崎駅間に新駅設置⑥全線直通運転(八王子駅~高崎駅)⑦八高線各駅からの「駅からハイキング」の充実⑧TRAIN SUITE四季島など豪華寝台列車の八高線経由での運行⑨金子駅西口改札の開設。
川越線関係については、①西川越駅・笠幡駅に列車行き違いが可能な設備を設ける②強風による遅延を防止するため鉄橋の防風対策を図る③川越駅における列車接続時間の短縮④南古谷駅始発列車の増発・北口開設の促進⑤日進駅~高麗川駅間の複線化⑥指扇駅~南古谷駅間に立地する川越車両センターに新駅設置⑦沿線大学への通学の利便性を高めるため、大宮駅~高麗川駅間の車両数・本数を増発⑧大宮駅~日進駅間に新駅設置⑨2018ダイヤ改正時に川越線の終電時間の延長⑩大宮駅周辺に鉄道利用者のための自転車・バイク駐輪場の用地確保と整備⑪指扇駅付近踏切道の拡幅整備──を挙げた。
要望書を提出した同議員連盟会長の小谷野県議は「議員連盟ではこれまでも増便の要望を続けてきたが、川越駅~高麗川駅間では減便に転じ、通学利用者などが大変困っている。増便を求めるとともに、市町村と連携して乗降客増を図っていく必要がある。その一環として、沿線地域の歴史遺産を活用し、観光地としてPRするとともに、SL臨時列車を走らせるなどの観光振興策を提案していく」と話している。