「ママが動けば市政も変わる」 長谷川氏が事務所開き

市長選への決意を語る長谷川氏。右は推薦団体の杉田会長

 7月2日告示・同9日投開票の飯能市長選を控え、新人で主婦の長谷川順子氏(44)=無所属=は24日、長谷川氏の推薦団体「住みよい飯能市をつくるみんなの会」の事務所開きで改めて市長選への決意を語った。

 同市山手町の事務所には支持者約30人が集まり、長谷川氏は「ママが動けば市政も変わる、市民が変われば市政も変わる。皆さんと一緒に考え、共に作り上げる市民参加のまちにしたい」と訴えた。

 同市長選には、現職で2期目を目指す大久保勝氏(64)=無所属(自民・公明推薦)=、新人で前市議の椙田博之氏(53)=無所属=が立候補を表明しており、三つ巴による激戦が濃厚となっている。

 長谷川氏は、赤沢在住。原市場小・中学校、県立飯能高校を卒業。子育て中の母親たちのサロン活動や、原発被災者や難民支援のチャリティーバザー「ぐるぐるマーケット」の実行委員、選挙や政治を考え投票を呼び掛ける団体「はんのう投票率向上委員会」代表を務めるなど、子育て、介護、原発、政治問題など幅広い分野で活動してきた。

 市長選出馬にあたっては、「安心して暮らし、自分らしく生きられる飯能、憲法をいかすみんなの市政をつくります」「医療・介護、子育てなど福祉を守る立場で国・県にも声をあげます」とし、政策の柱として、子育て支援策の充実、医療・介護など福祉の充実、安心して生活できる「足の確保」、市民の暮らし応援、県水見直しで自主水源の確保──を掲げている。

 推薦団体「住みよい飯能市をつくるみんなの会」の事務所は飯能一小近くの古民家を活用し、事務所開きには支持者をはじめ共産党飯能市議団の新井巧議員、山田利子議員が出席しテーブルを囲んだ。「母と子にやさしい政治を」と描かれたタペストリーをバックに、同会の杉田実会長の司会のもと、長谷川氏が決意表明を述べ、参加者が自己紹介や立候補予定者への要望などを行った。

 「シングルマザーだった私にとって、本当に子育ては大変だった。これはどうにかしなくちゃいけないと考えた時に、やはり政治の力は不可欠だと思った」。

 そう切り出した長谷川氏は、「子育て世代やお年寄りが安心して暮らせる社会を実現していくために何かできないかと、子育てサロン等に携わってきた。その間に起きた東日本大震災の原発事故をきっかけに色々なことに関心を向け勉強してきたつもり。私はまだまだ鈍感な人間で、色々な人の声を聞きながら、手探りの中を進んでいるが、子どもの未来を守るのは私たち大人の責任。今、ここで声を上げるしかないと思った」と立候補を決意した胸中を改めて語った。

 目指す政治の姿として「子育て世代の投票率の高さが福祉国家を作る。女性であり母親でもある私のような人間が市長選への覚悟を表明することで、若いお母さんたちの選挙や政治への意識が変わっていくと実感している。ママが動けば市政も変わる、市民が変われば市政も変わる。皆さんと一緒に共に考え、共に作り上げる市民参加のまちにしたい。ぜひ新しい市政に参加して欲しい」と呼び掛けた。

 その後、出席者が自己紹介を兼ね1人ずつ挨拶。新井市議は「国に対してもしっかり物が言える市長というのが、これからの地方自治を作っていく上で重要。そして、市民が選挙に関心を持つことが市政を変えるという長谷川さんの発想は、その通りだと思う。長谷川さんの踏み出した一歩は必ず市政を動かす力になっていく」と述べた。