変わる「あけぼの子どもの森公園」 本国除き初のトーベ・ヤンソン氏の名

トーベ・ヤンソン氏の名が記された観光用標柱(浄化センター南側市道沿い)

 飯能市は、市民体育館(同市阿須)南側の加治丘陵に広がる「あけぼの子どもの森公園」の名称に、フィンランドの童話「ムーミン」の作者トーベ・ヤンソン氏の名を採用、6月1日付けで「トーベ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園」とし、9日開会の市議会6月定例会に関連議案を上程した。市は順次、複数ある公園案内板や印刷物を新名称とする変更作業に着手する。

 提案された議案は「飯能市都市公園条例の一部を改正する条例」(第42号)。昭和62年施行の「飯能市都市公園条例」の第34条の前の見出し並びに同条及び35条中「あけぼの子どもの森公園」を「トーベ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園」に改めようとするもの。

 同議案は、議会内の常任委員会に付託(14日)、審議され、議会最終日での審議内容の委員長報告後、本会議場で可否の採決が行われる。

 あけぼの子どもの森公園は、「平成記念子供のもり公園」と銘打った全国複数のうちの一つの公園として国の指定を受け、平成9年7月に市民体育館南側の加治丘陵裾野に開園した公園。

 「自然との共生・自我と自由の尊重」を基本理念に20年間運営され、市内外から数多くの家族連れが訪れているほか、最近は台湾など海外からの来訪も目立つ。フィンランドの童話を連想させるようなユニークなデザインの建物が立地し、年間20万人が来園している。

 一昨年10月、飯能市の上良二副市長がフィンランドのムーミンキャラクターズ社を訪問、会長のソフィア・ヤンソン氏(トーベ・ヤンソン氏の姪)との会談の中で、あけぼの子どもの森公園の名称にトーベ・ヤンソン氏の名前を冠したい旨を伝えたところ了承を得、これまでライセンス交渉が進められていた。

 契約が整ったことから、公園名称を「トーベ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園」に改称することとなった。新名称は、6月1日付けで公示された。

 市は、飯能駅南口から阿須運動公園までの散策道「水辺の小径を訪ねるコース」(約4・5キロメートル)のコース上13か所に道標を設置済み。ハイキングや観光目的で駅を降りた人たちなどを、あけぼの子どもの森公園などに誘導するのが目的で、480万円を投入、平成28年度事業として実施した。

 このうち、あけぼの子どもの森公園の地元、加治地区の道標には、今回の改称に伴っていち早くトーベ・ヤンソン氏の名前がお目見えした。

 市浄化センター(征矢町)南側の成木川沿いに設置された道標で、サイズは高さ約1・5メートル、15センチ四方の角柱。

 「トーベ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園」の名称とともに、あけぼの子どもの森公園の方向、設置場所からの距離が白地に黒と赤色で書かれ、

 下部には「Tove Jansson akebono kodomonomori park」の表記も。

 市は、トーベ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園が、世代を超えてさらに愛される公園となるよう、利用者要望の高かった飲食・物販を提供する施設を、公園東側にある「水浴び小屋」の南側斜面に、来春オープン目指して建設する。