地域経済発展へ飯能商議所「メッツァ」コンセプトなど講話も
飯能商工会議所(矢島巌会頭)の第64回通常総会が飯能市稲荷町の清河園で開かれ、平成28年度事業報告、同収支決算が承認された。
同商議所は昨年度、飯能ひな飾り展、はんのうパンフェスタ、はんのう路地グルメ、震災復興元気市などの多彩な行事をはじめ、県西部地域産業ミニ商談会、大河原工業団地との交流会、また、宮沢湖周辺に整備されるムーミンテーマパーク「メッツァ」に伴う施設周辺道路の拡幅整備や八高線八王子・川越線間の早期実現などを県商議所議員大会に要望するなどの活動を展開。今年度も地域経済発展、活性化のため活動する方針を示した。
総会後には(株)ムーミン物語事業推進部長兼運営部長の大林久人氏による講話が行われ、メッツァのコンセプトや施設概要などが紹介された。
同商議所の平成28年度の主な事業は、意見活動としてメッツァ開業に伴う施設周辺道路の拡幅等整備や八高線八王子・川越間の増発の早期実現、経営革新計画承認企業への補助金制度創設、インバウンドに対する情報提供の強化など5項目を県商議所第54回議員大会に要望。
行事では、12回目を迎えた飯能ひな飾り展には124か所の参加があり、メイン会場の店蔵「絹甚」には約8000人が来場。飯能銀座商店街で開催したパンフェスタには約1万5000人が来場、路地グルメは80店舗が参加し延べ4740食を提供、被災地支援事業となる震災復興元気市には約4万人が来場した。
工業振興では管内工業事業者の市場拡大を目的に地域産業ミニ商談会、大河原工業団地との交流会、飯能・入間工業部会会員交流会を開催、西川材アンテナショップ事業として、さいたまスーパーアリーナと横浜市開港記念会館に西川材商品を展示し西川材の振興に努めた。
総会の冒頭、矢島会頭は「今、一億総活躍社会の時代と言われ、働き方改革が大きなテーマとなっている。長時間労働の問題をはじめ、正社員と非正規社員、子育て中の女性、定年後の高齢者、これらの働き方が大きな社会問題となっている。価値観が大きく変わり、中小企業にとっても経営者と従業員の関係が昔のようにはいかないのではないかと感じている。このような中、当会議所では皆様のご協力により計画した事業を順調に実施している。会議所の使命である会員企業の発展と地域の発展を目指して本年度も一生懸命務めさせて頂く。皆様のご支援ご協力をお願いしたい」と述べた。
総会後、「メッツァについて」と題して講話を行ったムーミン物語の大林氏は、映像を交え「北欧時間が流れる森と湖での体験を通じて、こころの豊かさの本質に気づき、日常生活へと持ち帰れる場所」を目指したメッツァの概要やコンセプト、プログラムやグッズ開発への参加を行う「メッツァアンバサダー」などについて紹介した。
平成30年秋オープンの「メッツァビレッジ」では、北欧料理を楽しめるレストランや地域の参加によるマーケット棟が整備され、自然を感じながら家族で楽しめるワークショップ、アクティビティなどを計画。
また、31年春オープンの「ムーミンバレーパーク」には、1日数回のショーを行う「エンマの劇場」、レストラン・グッズ販売・展示スペース・ムーミンの物語を楽しめるフロアを設けた3階建ての展示施設、パークのシンボル的存在となるムーミン屋敷などが整備される。
施設概要を説明した大林氏は、ムーミンキャラクターについて「世界の売り上げの43%は日本が占めており、非常に高い人気がある。認知度調査でも舞浜にあるテーマパークのキャラクターと遜色ない認知度がある。アジアでは台湾、中国、ベトナム、タイ、韓国で人気がどんどん上がっている。韓国には最大のムーミンショップがあり、ムーミンカフェも各国で盛況、市場としては非常に良い」。
「ムーミンのターゲットは、ファミリーのほか、20代後半から50代前半の働く女性。昔のテレビでやっていたムーミンのキャラクターと、今、街で見かけるムーミンは明らかに違う。アート色のあるデザインが当たり、大人の女性が身に着けることのできるキャラクターとして新たな市場を開拓している」と解説。
「我々はメッツァを作るところから、実際に運営し、お客様を迎え、お土産品まで、全てのストーリーの中で地域の方々と一緒に色々なものを作り、世界から来る方に喜んで頂けるものにしたい。また、メッツァの持つ発信力を地域の方々にも活用して頂けたら」などと語った。