狭山茶への関心高める 日高高校生が茶摘み体験
新茶の季節到来。大型連休中に日高市高萩の狭山茶専門店「備前屋」(清水敬一郎社長)の茶園で手作業による茶摘みが行われ、県立日高高校(同市旭ヶ丘、松本明校長)の生徒と教諭が茶摘みを体験した。
同店は、高品質な狭山茶の追求と急須で茶を入れる文化を次世代へ継承していきたいと、品種ごとの特色や旨みを引き出した茶の製造販売を行っており、手摘み専用の自社茶園では「やぶきた」をはじめ埼玉品種の「ゆめわかば」「ふくみどり」を栽培。
手摘みした茶葉は、ほどよく天日に干し茶葉の香気を引き出す「萎凋(いちょう)」と呼ばれる工程を経て上級茶に仕上げている。
今年は春先の気温が低く、例年より収穫時期が遅れたが、新芽は順調に育ち収量も期待できるという。
大型連休中の3日に手摘み作業を開始し、6日には日高高校が推奨するボランティアの一環として生徒6人と松本校長を含む教諭3人が茶摘み体験に訪れた。
生徒たちは「ペットボトルの緑茶は普段よく飲んでいる」というが、急須で茶を入れる習慣のある家庭は少なく「家に急須がない」との声も。
約半日にわたり手摘み作業に汗を流した後、同店で新茶を味わい、3年生の鈴木慧斗さん、白石真菜さん、髙田来美さんは「自分の手でお茶の葉を摘み、とても貴重な経験になった」「美味しいお茶の淹れ方を覚えて、家でも飲んでみたい」などと笑顔を見せた。
清水社長は「高校生たちにはとても丁寧に茶葉を摘みとって頂いた。こうした体験を通して、幅広い世代に狭山茶への関心を高めてもらえたら嬉しい」と話している。
手摘み茶葉を使った新茶は「富貴昔(ふきむかし)」100グラム3000円、「松籟(しょうらい)」100グラム2500円、「清水昔」100グラム2000円(いずれも税別)で販売中。問い合わせは、備前屋989・2001へ。