最高栄誉「まとい」披露 関係者集め受章式典

壇上でまといを掲げる和田団長

 消防操法大会での活躍や団員の定数維持、火災や台風などの災害への迅速な対応など日頃の活動が高く評価され、第69回「日本消防協会定例表彰式」で特別表彰「まとい」を受章した日高市消防団(和田貴弘団長、定数161人)は23日、日高市山根の埼玉医科大学創立30周年記念講堂で受章式典を開催した。

 谷ケ﨑照雄市長や日本消防協会の秋本敏文会長をはじめ、歴代団長や消防関係者が多数出席する中、金箔を施したまといが入場、歴代団長の手を経て壇上に掲げられると、会場は大きな拍手に包まれた。

 特別表彰「まとい」は日本消防協会が昭和54年に創設。全国に約2200ある消防団のうち、同協会の表彰旗を受章してから10年以上にわたり抜群の成績を維持しているほか、消防庁長官表彰の授与や全国消防操法大会への出場経験を持つなどの条件に該当する消防団の中から、毎年10団体にのみに贈られる最高の栄誉という。

 贈られたまといは全長2・1メートル、重さ9キロ。上部は純金箔、下部は純銀箔で仕上げが施されている。埼玉県内での受章は8団体目。

 日高市消防団は、高麗村と高麗川村が合併し町制が施行されたのを機に昭和30年に日高町消防団として発足。翌31年に高萩村が編入合併して現在の市域となり、以来、地域の安全安心を守り続けている。

 昭和38年から現在まで54年にわたり消防団員の定数の充足率100%を維持し、平成10年に第16回全国操法大会で準優勝するなど活躍。昭和47年、平成12年に日本消防協会表彰旗、平成20年には消防庁長官表彰旗を受章している。

 第13代団長を務める和田団長は、「まといの受章は、諸先輩から現役団員に至るまで、長きにわたりさまざまな分野で活躍してきたことが認められたもの。その背景には団員の家族をはじめ、市民や関係機関のご理解とご協力の賜物」と感謝。

 「消防団は市民の生命・身体・財産を守るという崇高な使命のもと、火災や風水害などの災害現場への出動、予防・広報活動、市や地域行事への協力など生業の傍ら多種多様な活動を行っている。受章を契機に、これまでの歴史と伝統を継承し、時代に沿った取り組みも視野に入れつつ、未来に向けてさらに活力ある消防団となるべく精進して参りたい」と述べた。

 来賓を代表して谷ケ﨑市長、日本消防協会の秋本会長、日高市議会の大澤博行議長、財務副大臣の大塚拓衆議院議員が祝福。

 谷ケ﨑市長は、「消防団員は普段は自分の仕事を持ちながら、有事の際には災害現場に駆け付けるという崇高な使命を持って活動にあたっている。地域防災の中核として地域の安心安全を確保するため果たす役割は極めて大きい。市としても消防団員が活動しやすい環境整備や資機材の増強などに引き続き取り組んで参りたい」。

 秋本会長は「受章は、歴代団長、団員の皆様が地域の皆様とともに懸命の消防活動を重ねた結果。近年は思いがけない災害が各地で発生している。いつでも、どこでも、何でもある、くらいの覚悟を持って、どんなことがあっても生命を守り抜かねばならない。まとい受章に相応しい消防団として益々の発展を期待したい」と激励した。

 閉式後には消防団のあゆみや活動内容、団員を紹介するDVD上映が行われた後、特別記念講演として、日本消防協会の秋本会長が「これからの日本消防」と題して講演。全国で多様な災害が多発している事例を紹介し、事前の情報把握と適時的確な行動、地域総参加による平時からの防災体制づくりの必要性、地域防災の中核として消防団に求められる地域事情の熟知や豊かな人脈、地域との結びつき、団員確保や装備・訓練の改善など消防団の体制充実の必要性を述べた。