熾烈な春の陣 現職17人・新人9人が火花散らす
任期満了に伴う飯能市議会議員選挙は16日告示され、現職 17人、新人9人の計26人が立候補を届け出た。
今回の選挙は定数を19人に改定してから2回目の選挙。激戦だった前回と比較して、立候補者が一人増え落選者が7人も出る稀に見る激戦。有力な新人候補が多く世代交代が進むかが焦点の一つ。
実績のある現職も安閑とできないため、相当な危機感を持って、早くから組織の引き締めばかりでなく他の地域にまで足を延ばしている候補が少なくない。
市議選の結果によっては、7月の市長選にも影響を与えるため、市議選はより熾烈さを極めるとともに、従来のものさしでは測り切れないほど混沌としている。
中高年以上の市民は、次の市長選まで視野に、非常に高い関心を持って市議選に注目しているが、この盛り上がりが若・壮年層や無党派の投票行動にまで影響を与え、投票率を押し上げることが期待される。
その他、トップ当選は誰か、10人が出馬した加治地区の行方、6人の女性候補の当落など、注目点の多い7日間の激しい舌戦に突入した。
16日現在の有権者数は、6万8783人(男3万4139人、女3万4644人)。
■出陣式で士気高揚
立候補の届け出は市役所別館2階の会議室で午前8時半から行われ、予想通り26陣営が届け出を済ませ、選管から交付された〝選挙の七つ道具〟である街頭演説用の標記旗や腕章、選挙事務所の標札などを手に各事務所へと戻り準備に取り組んだ。
出陣式は、それぞれの戦略や来賓の都合に絡んでか、午前中にすぐに出陣式を行う候補ばかりでなく、昼過ぎや午後3時以降に執り行う候補も少なくなかった。
中には、国会議員など大物弁士に選挙応援を依頼し場を盛り上げ、一層士気を高めた候補者も。出陣式後、選挙カーに乗り込んで街頭へ繰り出す候補や、個人演説会に力を入れる候補など、初日から各陣営とも精力的に活動した。
有力と噂される大物新人2人は、午前及び午後に、共に市東部で出陣式。
会場は、来賓、支持者・関係者であふれかえり、前市長や現市長ら大物弁士が次々応援演説。場は次第に盛り上がり、立候補者本人が登壇。2人の候補者は、ともに地域の区画整理事業の問題と、子育て支援の充実を掲げ支持を訴え、最後に乾杯やダルマの目入れ式で結束を確かめ、本人を乗せた選挙カーが、各所で花が咲き競う街頭へ繰り出した。
■トップ当選者に注目
平成に入って8度目の市議選だが、近年の有権者の選挙への関心は低く、平成元年からの投票率は、同年 74・52 %、同5年68・81 %、同9年58・03 %、同 13 年 60 ・67 %、同 17 年58・24 %、21年は 53・68 %、25年50・32%と次第に下降しており、前回の市議選で最低記録を更新し、50%割れも心配される状況になっている。
「飯能市議選は、一人の候補が抜きん出た票を獲得することがない選挙」、と言われるが、トップ当選者がどれだけ票を集めるかは、投票率とも絡んで、当落ラインを左右するほか、県議選や、市長選にも影響を与えるため、常に市民の関心を集める。
平成に入ってからのトップ当選者は、同元年、野田直人氏(1710票、現職)、同5年、大川修司氏(2562票、元県議)、同9年、武藤文夫氏(2033票、現職)、同 13 年、和田浩氏(1835票、前県議)、同 17 年、柏木正之氏(2652票、元名栗村長)、同21 年、石井健祐氏(2849票、元市議)、25年、内沼博史氏(1979票、県議)で、石井氏の2849票が、平成以後の最多得票。7人中4人が2000票以上獲得。今回のトップ当選者が2000票以上集めるか、も市民の関心の一つ。
23日投開票され、開票は 午後9時 10 分から飯能第一小学校体育館で行われる。前回選挙では午後 11 時59分に最終確定票が発表された。