飯能から「思い届け」 復興元気市賑わう
被災地支援や東北応援を掲げて東日本大震災の翌年から始まり、今年で6回目を迎えた「震災復興元気市」が11日、飯能市の中央公園を主会場に開催された。
会場では被災地の物産、飯能周辺のご当地グルメの販売をはじめ、防災をテーマにした展示やチャリティよさこいなどが行われ、大勢の来場者で賑わった。会場には津波被害に遭った梵鐘の音が響き、震災発生時刻の午後2時46分には犠牲者の冥福を祈って関係者、来場者が黙祷を捧げた。
この日は晴天に恵まれ、会場には開会から大勢の人が繰り出し盛況。福島、宮城、岩手、茨城、新潟、長野、熊本などから、商工会議所や商店らが参加し、ホタテやウニ、ひもの、ワカメ、カマボコなどの海産物が飛ぶように売れたほか、飯能・日高や西武鉄道沿線、県内のご当地グルメなどが人気を集めた。
市民会館大ホールではチャリティよさこいが威勢の良い演舞を披露し、小ホールでは駿大元気フェスタを開催。市民会館西側駐車場では「防災・安全を考える」をテーマに航空自衛隊、警察、消防による車両展示が行われた。また、野外ステージでは市民グループの元気な発表や子どもたちに人気のマスコットキャラクターが登場し、会場を盛り上げた。
市民会館前庭には震災で津波被害に遭った宮城県名取市閖上(ゆりあげ)の東禅寺が所有していた梵鐘を設置。東禅寺の住職と大学の同級生だった法光寺(飯能市坂石町分)の大野文敬住職が梵鐘を保管しており、会場では市民らが鎮魂の鐘を鳴らした。
鐘を突き、静かに手を合わせた飯能市青木の関口喜治さん(77)は「東北民謡を習っていて、初めて覚えたのが閖上大漁節だった。被災者の方々は今も苦労されている。飯能の人々の気持ちが届けば嬉しい」と話した。
元気市実行委員会の金子堅造実行委員長は「東北へ元気を届けたいとの思いで始まり、今年も大勢の方に参加頂いた。飯能には思いやりを持った人が多い。楽しい行事を通じて、東北も飯能も元気になれば。今後も続けていきたい」。
また、大久保勝市長は「東北への思いを抱き、被災地に本当の春が訪れるまで、日本で一番の応援をしたい」と話した。