飯能の活性化策を競う プランニングコンテスト開催
第10回「輝け!飯能プラニングコンテスト」の最終審査会が、飯能信用金庫研修所(飯能市稲荷町)で開かれた。
飯能に埋もれた眠れる原石をアイデアで掘り起こし、飯能活性化につながるプランを市民などから募るもので、駿河台大学(飯能市阿須)と同金庫(同市栄町)の主催。一次審査を通過した学生の部、一般の部それぞれ4団体・個人の熱のこもったプレゼンテーションの結果、学生の部は、駿河台大学1年生・長島史歩さんのアイデア「Reuse傘計画」が最優秀賞に選ばれた。
一般の部は甲乙つけがたく、4つのアイデアすべてが優秀賞を受賞。飯能市、飯能商工会議所、奥むさし飯能観光協会、文化新聞社ほか後援。
このコンテストは、地元・飯能の活性化につながる実現可能なプランや、ユニークなアイデアを、個人、法人、団体、学生などから広く求めている。
ビジネス・環境・まちや商店街などの活性化プラン、飯能の人や物、豊かな自然、企業など地域資源を活用したプラン、その他が募集テーマ。まちの活性化に期待が持てるものや、事業化も可能な優秀なプランを選び、主催者がサポートするコンテスト。今回は節目の第10回。
第4回のコンテストで最優秀賞に輝いた飯能産にこだわりぬいた納豆作りのプランは、その後事業化に成功。提案者は同市岩沢で「ゆきちゃん納豆本舗」という会社を立ち上げ、飯能でしか食べることのできない門外不出の手作り納豆「奥むさし納豆」を製造している。
今回もアイデアにあふれたプランが多数寄せられ、書類選考、第一次審査会の厳しい審査を勝ち抜いた学生の部、一般の部それぞれ4個人・団体が、この日の2次審査会で、プレゼンテーションを行った。
開会に先立ち、大久保勝市長は、「プランニングコンテストを開催して頂き、皆様に感謝申し上げるとともに、大きな期待を寄せています」とあいさつ。
学生の部から、それぞれ工夫を凝らした発表を行った。
プレゼンを行ったのは、学生の部が、①集まれ高校生!わくわく高校生フォーラム(自由の森学園高校、関晃さん、吉岡実起さん、山本柊さん、町田美月さん、渡辺力さん、山下千春さん)②体験しよう!Water Balloon(駿河台大学、老沼拓哉さん、佐藤滉一さん)③北欧の世界を飯能で(同大学、竹内史哉さん、青木徹さん、吉田優亮さん)④Reuse傘計画(同大学、長島史歩さん)。
自由の森学園高校のプレゼンは、唯一の高校生グループだが、287人のアンケートをもとに、高校生が活動し実力を発揮する場作りを提案するもので、大学生や、一般の部に負けない元気のある発表だった。老沼さんらの発表は、ウォータバルーンによるアトラクション的要素のあるアイデア。
また、竹内さんらの発表は、夜のあけぼの子どもの森公園を活用し、イルミネーションでライトアップし、北欧の森を飯能に再現する幻想的なアイデア。
長島さん個人のプランは、「ビニール傘の再利用計画」。最初にゾウのイラスト画像を示しながら、軽妙なトークを展開。工夫が凝らされ聞きやすく最も聴衆を引き込んだプレゼンだった。
一般の部は、①花粉撲滅プロジェクト~眠れる資源を再利用~(潮田真也さん)②すぎの子・エネルギーファンド(山田直行さん、鴇田節男さん)③つながる。ひろがる。『&Hanno(アンドハンノウ)』(小室舞さん)④摘み取り観光農園(永山隆さん)。
潮田さんのアイデアは、手入れが行き届かず、花粉症の原因となっている山林の間伐処理、枝打ちの為の基金を設立。趣旨に賛同する花粉症関連薬販売企業に、製品に添付する「花粉撲滅キャンペーン」シールを購入してもらい、基金に充てるもの。
山田さんらの取組は、小型の木質バイオマス発電の活用で、西川材の利用促進と、再生可能エネルギーへのシフトを図る計画。
小室さんの発案は、飯能銀座通りの空き店舗を活用し、人と人の出会いの場を作り、コミュニティ再生の拠点を設けるプラン。
永山さんのプランは、畑を、摘み取り体験型の野菜農園として整備して、観光客に新鮮な野菜を安価で収穫してもらい、畑提供者は、収穫の労を省きながら安定的収入が見込めるという提案。
一般の部は、事業化の実現性もより問われたため、厳しい指摘も目立った。
厳正な審査が行われ、学生の部で、長島さんのReuse傘計画が、最優秀賞を受賞。その他の3プランは優秀賞。一般の部は、優劣が付けられず、最優秀賞は見送られ4プランすべてが優秀賞表彰された。
最後に講評した狩谷求駿大名誉教授は、「飯能に何を期待するのかではなく、飯能市に何ができるのか、それを皆さんが考えたプランばかりで、審査員の一人として感銘を受けました。僅差の争いでしたが、学生の部は、長島さんのプランが、環境など様々な分野に配慮し、飯能の活性化のために、すぐに着手できそうなアイデアで頭一つ抜けていた魅力的プランでした。一般の部の皆さんには、それぞれ実現に向け頑張ってほしい」と、締めくくった。
最後に歓談が行われ、出席者同士が、プランの実現のため交流を深めていた。