実力発揮の駿大 飯能市民の期待応える
チームは3位入賞、1、2区で区間賞獲得と、駿河台大学(飯能市阿須)駅伝部のAチームは、輝かしい成績を収めた。今季全員が自己べストを更新した選手をそろえ、「最低限でも入賞」獲りに挑んだチームが、その実力を発揮した。
昨年の大会では、同大はAB2チームが出場し、12位と15位。記録も2時間を切ることは出来なかった。
「今回は、1時間57、58分くらいは出したい」という目標を掲げていた、同部の徳本一善監督の思惑を超え、1時間56分46秒の好レースを展開し、チームは3位入賞を果たした。
チームをけん引したのは、エース平賀喜裕選手(4年生)。箱根駅伝に2年連続学生連合チームの一員として出場。2日の往路で3区を走り、最後尾でタスキを手渡されるというモチベーションの上がらないレース展開にも関わらず、参考記録ながら区間2位の好走を見せた注目の選手。
2区を任されたのは、平賀選手と同じ4年生の越智文弥選手。自己ベストは、5000メートル14分8秒。平賀選手の自己ベストより2秒近く早い。「5000メートルをメーンにやってきました。夏以降段々調子が良くなってきて、ここ最近いいタイムが出ていると実感していました」と、越智選手は自信を持って臨んだ大会だった。
「4年生を起用し、1、2区で1位を狙った走りで前半貯金を作り、後の後輩たちに粘ってもらう作戦スタイルだったので、うまくいったと思います。3区まで1位だったので、優勝も意識しましたが、入賞確実と確信しました」と、平賀選手は振り返る。
チームは狙い通りのレースだったが、平賀選手個人は、外国人留学生と1区でデッドヒート。「追いかける展開でしたが、我慢していけばラストチャンスがあると思い粘りました。2区の選手が見えた時に切り替えて先頭に立つことができました。ゴール手前100メートルもなかったと思います」。29分5秒、2位を1秒差でかわしての区間賞獲得。
また、越智選手は、「一緒に練習していた平賀の強さは分かっていたので、トップで来ると思っていました。本当に来たときは、僕も行くしかないという気持ちで前半から積極的に行きました」と話し、16分26秒、2位に2秒差の区間賞で、チームとしては、2位との差を31秒に広げ3区以降の選手に託した。
同大Bチームも順位こそ18位だったが、当初補欠だった1年生の福谷駿選手が3区を区間3位で走り、チーム記録は昨年を上回る2時間切り目前。チームの総合力は確実に上がっている。
徳本監督の「2年以内に箱根駅伝出場」という目標が、より現実味を増した大会になった。
「大学の地元ということもあり、名前を呼んで応援してもらい、その応援に応えたいと強く思いました。まちの人に感謝したいです」と、平賀選手は、沿道の温かさに感謝。
同大駅伝部と平賀選手らへの注目度はうなぎ上りで、飯能市民の期待は高まる一方だ。