準絶滅危惧の「ミサゴ」 入間川に飛来

アユを狙って空中でホバリングするミサゴ

 環境省レッドリスト(絶滅のおそれがある野生生物の種)で「準絶滅危惧」に指定されているタカの仲間の野鳥「ミサゴ」の姿を、飯能市岩沢在住の近藤昇さん(74)(日本野鳥の会会員)がカメラに捉えた。

 ミサゴ(ミサゴ科)はタカの仲間。他のタカ類と違い、魚を捕食することから「魚鷹」の異名を持つ。英名は「オスプレイ」。旋回しながら魚を発見すると、空中で静止し、水面近くまで急降下して伸ばした両足で瞬間的に捕らえる。

 体長55~65センチほどで、羽根を広げるとおよそ170センチ。トビと同じ位の大きさ。主に、海岸に生息する。ほとんど通年、同じ地域に生息する「留鳥」(りゅうちょう)として、全国に分布する。

 近藤さんがミサゴの撮影に成功した場所は、飯能市岩沢運動公園と阿須運動公園を結ぶ「流れ橋」付近の入間川河川敷。飛来情報をもとに昨年11月1日から8日までの間で撮影した。

 撮影期間中、河原に近くの幼稚園児や小学生がいた日があり、近藤さんによると、子どもたちは「大空のミサゴを指差して興奮し、上空でホバリングして、見つけた獲物に向かって急降下し、水しぶきをあげながら水中にダイビングする姿にも大興奮だった」という。

 ミサゴが狙っていた魚はアユ。アユは産卵期の晩秋になると、下流へ、下流へと下る。その生態を知ってか、アユを捕食しようとするミサゴが阿須・岩沢運動公園前の入間川上空に、出現するという。「ヘラなどの平べったい魚より、細長いアユのような流線形の魚の方が掴みやすいみたいです」と近藤さん。

 近藤さん曰く、ミサゴは白く、大きく、速く、優雅、目立つ鳥。10~11月後半にかけ、3年続けて両運動公園付近に飛んできているのを目撃している。

 「漁業組合の方々にとって、アユを捕食されては困るでしょうが、ミサゴが食べるのはほんの少量です。飛んできたら、あたたかい目で見守って下さい」と、野鳥観察家らしく理解を求めている。