県内一の憩いの水辺に 「川の国はつらつプロジェクト」に選定
入間川の飯能河原とその周辺が、川の再生に取り組む埼玉県の「川の国埼玉 はつらつプロジェクト」に選定された。
県は、県土に占める川の流域面積の割合が日本一で3・9%もある。
「海なし県」埼玉は、県域全体にどこでも川がある「川の国」とも言える。このため、県は、県民だれもが川に愛着を持ち、故郷を実感できる「川の国 埼玉」の実現を目指し、平成20年度から「水辺再生100プラン」など、川の再生整備事業を進めている。
同プロジェクトは、事業を一層推進するため、県内市町村の個性ある地域振興の取組と連携し、地方創生に関わる総合戦略や観光振興計画などと連動させ、川を再生し、人が水に親しみ憩える水辺空間を整備・拡充するもの。また、水辺の整備だけでなくまち全体に効果を広げ、人もまちもはつらつにすることが目的。
昨年8月、市町村にプロジェクトの趣旨が説明され、9月末まで募集が行われた。
「目標、成果を具体的な数値等を用いて設定しているか」「まちづくり、地域振興との一体性は」「おおむね4年以内で整備が完了し成果が見込めるか」「維持管理活動を行う取組は具体的か」などの項目を4段階で評価した。
その結果、同市が提案した「飯能河原親水施設整備」と「入間川沿い散策路整備」などが、同プロジェクト推進事業に選ばれた。
「市街地を取り囲む豊かな丘陵地帯とそこを流れる清らかな水、豊かな緑という身近な自然環境を活かし、吾妻峡から割岩橋付近までのエリアで、水辺が持つ多くの癒し機能を念頭に置いて水辺を整備し、県内ナンバー・ワンの水辺空間を構築する」という、観光ビジョンの基本施策に絡めた同市の提案が評価された。
同市では、吾妻峡から割岩橋付近までの入間川畔で、釣りや水遊びなどもでき水に親しむ安らぎと憩いの空間として飯能河原周辺を整備し、入間川沿いでは、自然のままに保全し生物の生態機能を維持できる環境を守りながら、散策路の整備などを検討しているが、具体的な整備箇所、範囲、事業期間などはまだ決定していない。
同市では、今後、飯能河原利用調整協議会を拡充するなどして、市民や関係団体とも連携しながら、事業計画の具体化を目指す。