人馬一体で的狙う 馬射戲に7000人

颯爽と馬を走らせ的を狙う選手

 高句麗時代の騎射競技を現代に蘇らせた第5回高麗王杯「馬射戲~MASAHI~(まさひ)騎射競技大会」が26、27日の2日間、巾着田を会場に開催され、日本の4選手、韓国の5選手に加え今年はマレーシアからも2選手が出場し、馬上から弓矢の腕前を競った。

 2日間で約7000人が来場し、人馬一体となったスピード感のある競技や馬上武芸演舞、グルメや物産販売などを楽しんだ。

 紀元前37年頃から668年まで古代朝鮮半島に君臨した大国・高句麗の徳興里壁画古墳にある「馬射戲図」には、馬上から四角の的を射抜く射手、記録係、検見役(審判)の姿が描かれ、武芸鍛錬の一つとして馬射戲が行われていたとされる。

 この歴史ある競技を現代に蘇らせようと、韓国に本部を置く世界騎射連盟や日本騎射協会などが新たにルールを定め、高句麗とゆかりの深い日高市で平成24年に競技大会を開始。高麗郡建郡1300年の節目を迎えた今年で5回目を迎えた。

 開会式では主催者を代表して谷ケ﨑照雄市長、高麗1300の大野松茂理事長が挨拶に立ち、谷ケ﨑市長は「馬射戲は高句麗古墳壁画の世界を現代に再現した騎射競技大会。間近で見る競技は馬の迫力と選手の緊張感が伝わり、多くの人を魅了している。高麗郡建郡1300年の節目にふさわしい白熱した大会となることを期待している」と述べた。

 競技は、60センチ角、40センチ角、20センチ角の大中小3種類の的を用い、30メートル間隔で5か所に設置された的を狙って馬上から矢を放つ。3種類で計6回の騎射を行い的に当たった合計点を競う。

 日本騎射協会の会長を務める宮川昇選手、国際騎射大会で活躍する韓国のパク・ボンナム選手、マレーシアのボハン・フィアン選手など計11選手が出場し、巧みに馬を操りながら的をめがけて矢を放ち、見事に的中すると来場者から拍手が沸き起こった。