保護司の嶋村さん 藍綬褒章を受章
保護司として長年活動を続けている日高市下高萩新田の嶋村弥寿夫さん(75)が秋の褒章で藍綬褒章を受章し、22日、日高市役所を訪ね、谷ケ﨑照雄市長に受章を報告した。
長年、柔道の指導や接骨院を運営してきた嶋村さんは平成5年に保護司の委嘱を受け、以来24年にわたり保護観察処分を受けた人々の更生に尽力している。
保護司は法務大臣から委嘱を受けた非常勤の国家公務員という位置付けだが、実質的にはボランティア。罪を犯し保護観察処分を受けている人に面接を通じて生活指導や助言を行い、更生の手助けを行う。
嶋村さんは昭和39年に柔道場を開いて指導にあたり、昭和60年から平成23年には飯能警察署嘱託柔道教師を務めたほか、青少年相談員や体育指導員など多方面で活躍してきた。
50代になって市職員の勧めで保護司となってからは、定期的に対象者と面接し、心を和ませ、生活指導や助言を行って更生を促してきた。こうした長年の経験が評価され、平成22年に全国保護司連盟会長表彰、同24年には法務大臣表彰を受賞した。
今回の藍綬褒章受章にあたり、「大袈裟なことをしてきた訳ではないので、まさかもらえるとは思っていなかった」と語る嶋村さん。「柔道場や接骨院をやっていたので、比較的受け入れやすい環境だったが、長い時には1人の対象者を3~4年受け持つ場合もあり、色々と苦労もあった」と振り返る。
来年、76歳で保護司の定年を迎える。「若い世代や女性のなり手が不足している。あまり知られることの少ない活動だが、多くの人に関心を持ってもらえたら」と話している。
受章の報告を受けた谷ケ﨑市長は「3年連続で日高市の保護司の方が褒章を受章している。嶋村さんには長年にわたり活動を続けて頂き市としても大変感謝し、心からお祝い申し上げたい。今後も市のためにご尽力頂けたら」と祝福した。