危機感募らせ取締強化 管内死亡事故8件

花が手向けられた虎秀の死亡事故現場

 10月18日に飯能市虎秀の国道299号で起きた死亡事故を受け、飯能署管内の交通事故死者は8人(28日現在)と前年比4人増。人身事故も増加傾向にあり、同署は国道299号沿いをはじめ幹線道路での取り締まりを強化している。ドライバーに対して速度抑止や車間距離の保持、安全確認の徹底を呼びかけている。

 虎秀での死亡事故は、18日午前1時半頃、17~18歳の男女4人が乗った乗用車が秩父方面に進行中、左側のガードレールに衝突、助手席にいた17歳女性が死亡し、ドライバーを含め3人の男性が重軽傷を負った。現場は緩やかな右カーブを抜けた直線で、深夜のドライブ中にスピードを出し過ぎ、ガードレールに衝突したと見られる。

 日高市台~正丸トンネル間の国道299号沿いでの死亡事故は今年3件目。1月29日には高麗本郷地内で52歳男性が運転する乗用車が対向車線にはみ出し、大型トラックと衝突し民家へ突っ込んだ。

 また、4月20日には白子地内で24歳男性運転の乗用車が左カーブでハンドル操作を誤り、蛇行運転の末、道路左側の立木に衝突。いずれもスピードの出し過ぎや安全不確認が原因と見られる。

 こうした状況を受け、同署は299号をはじめ幹線道路でパトカーの警戒走行や取り締まりを強化、危険運転を行うドライバーについては安全運転義務違反として処分するなど罰則を強め、飯能市と連携しての啓発活動にも力を注ぐ。

 また、昨年に比べ死亡事故が多発し12月22日までの間、県から交通事故防止特別対策地域の指定を受けている日高市は、年内の死亡事故ゼロと交通事故件数の減少を目指し、これまでに高麗本郷、台、田波目の交差点で街頭啓発活動を実施し、速度超過、車間距離、脇見運転への注意を呼びかけた。

 関係者は18日の虎秀での死亡事故についても「もう少し手前だったら日高市内。他人事ではない」として、一層の注意を促している。