発展都市の骨格施策熱弁 飯能市の上副市長
飯能市倫理法人会(小坂雅彦会長)の第903回「経営者モーニングセミナー」が25日早朝、ヘリテイジ飯能で開かれ、飯能市の上良二副市長が「消滅可能性都市から発展都市へ」をテーマに講話した。会員を中心に約60人が出席した。平成26年5月、飯能市は日本創成会議人口問題検討分化会の試算により「消滅可能性都市」に位置付けられた。以降、同市は全庁を挙げて「発展都市」への転換を図るべく、ムーミンテーマパーク「メッツァ」を主軸に据え、人口増のための各種施策を打ち出している。
講師の上副市長は、「消滅可能性都市」の定義、市人口の推移をまず説明。消滅可能性都市は、平成22年から同52年までの間に20~39歳の女性人口が5割以下に減少する自治体だとし、全国で896自治体、県内では飯能、行田、秩父など21市町村が位置づけられた──とした。
飯能市の人口ピークは、名栗村と合併した平成17年の約8万5000人。その後、毎年500人前後減り続け、同27年までの10年間で約5000人減少した。消滅可能性都市の位置付け後、市は子どもインフルエンザ予防接種無償化や子ども医療費対象年齢拡大などの人口歯止め策に取り組んだ結果、平成27年は転入者が転出者を6年ぶりに上回るといった改善傾向が表れたという。
上副市長はさらに、発展都市へ向けた市の取り組みについて、「定住人口」と「交流人口」の2つの対策が柱だと強調。定住人口を増やす対策の一つの例として、南高麗地区で推進する宅地に農地を付けて分譲する「飯能住まい制度」の創設を挙げた。
交流人口対策のメイン施策が飯能市街地を中心にメッツァ、飯能河原、あけぼの子どもの森公園の3点をトライアングルで繋ぐ「都市回廊空間」整備事業。各拠点の魅力をブラッシュアップすることで人の回遊性を生み出し、山間部など最終的に市域全体にその流れを作るのが狙いだ。
市が消滅可能性都市から発展都市へなるための骨格となる施策について、同副市長は熱弁。「私たちの取り組んでいる事業、とりわけメッツァの誘致については今、政府が考えている理想的な事業であると考えている。どういうことかと言うと、民間事業者が地元に投資をする。地元の金融機関を通して資金を調達し、その資金により地元企業が中心になって施工する。完成した暁には市内の事業者の参入、雇用創出、農林産物の活用などさまざまな効果が期待できる」などとまとめた。
会冒頭、小坂会長は「倫理法人会は朝型の生活を身に付けることで、すぐに実行に移せるということを学んでいる。皆様方、お時間があれば、またお立ち寄り頂きたい」などと挨拶した。
同倫理法人会の経営者モーニングセミナーは、同法人会が提唱する実行によって正しさが証明できる純粋倫理の学習、朝型の生活習慣の体得などを目的に毎週火曜日の午前6時半からヘリテイジ飯能を会場に開かれている。