ポケモン騒動契機に スマホ利用見直す機会に

 今年の夏の話題の中心となったスマートフォン向けゲーム「ポケモンGO」。飯能・日高でもその流行は御多分にもれず、多くの人が熱中する姿が見られた。

 当初は青少年を中心に「歩きスマホ」や自転車に乗りながらのゲーム、深夜徘徊などの行動が問題視されたが、飯能署管内では、車を運転中にゲームをして検挙されたり、営業時間外の店舗敷地内に侵入して通報されるなど、見本を示さなければいけない大人たちが問題を起こすケースが目立った。

 夏休み中、県教委から小・中・高校関係者向けの「スマートフォンを使ったゲームについてのお願い」とした文書が市教委に配布され、新学期に改めて児童生徒への指導や保護者への注意喚起を進めていくとしている。大人も子どもも、家族ぐるみでスマホの使用について考えていくことが必要だ。

 県教委から市教委へ配布された資料は、位置情報を活用したスマートフォンゲームについて、児童生徒の健全育成や指導上の視点に立ち、学校や家庭で注意して欲しい点をまとめたもの。

 「スマートフォン、本当に必要?」から始まり、個人情報の流出やネットいじめなどのトラブルやゲーム内課金への注意を促す内容で、長時間の利用や深夜徘徊について、「ゲームに熱中し長時間遊ぶことによる生活習慣の乱れが懸念されることから、利用時間等について各家庭で利用のルールを作りましょう」などと求めている。

 市教委はこうした資料を新学期に合わせて各学校や保護者に配布し、学校での指導や各家庭でスマホ利用について話し合うよう呼びかけるとしている。

 日高市の高萩北地区では昨年から、小中学生の携帯電話・スマートフォン等でのネットトラブルの防止などを目的に、学校や地域関係者で構成される高萩北地区青少年健全育成の会(杉山博行会長)が中心となり、「BJプロジェクト」と呼ばれる取り組みが進んでいる。

 「携帯電話やスマートフォンの普及は便利な一方、子どもたちの間で生活習慣の乱れ、学力低下、友人間のトラブルといった問題を招きがち」との視点から、家庭・学校・地域がそれぞれの立場で啓発に取り組もうと「“便利”を“上手”に使おう」を合言葉に、県の「家庭の日」と定められている毎月第3日曜日を「BJの日」とし、「携帯・スマホ・ゲームの使用を控える」「使用のルールについて家庭内で話し合う」などの実践を呼びかけている。

 ポケモン騒動が話題となる以前から、こうしたスマホ利用の問題に着目。代表の杉山さんは「まずは家庭でルールを話し合おうと学校を通じて保護者に呼びかけ、SNSに関する勉強会などを開いてきた。スマホの必要性や気を付ける点など、話し合いの機会を設ける家庭もだいぶ増えている。大人も子どもも便利を上手に使っていけるよう、地域全体で推進していけたら」と話している。