学校統合問題テーブルに 市総合教育会議で議題
市長と教育委員会が意思疎通を図り、民意を反映した教育行政を推進するなどの目的で設置された飯能市総合教育会議の今年度初会合が3日、市役所別館で開かれ、吾野・東吾野地域の小学校統合問題などについて協議した。
児童数減少による山間地域の学校統廃合について、会議の座長を務めた大久保勝市長は「学校統合は繁栄の始まり。地域の発展を念頭に置かなければいけない」などと述べるとともに、統合後の地域疲弊は回避しなければとの考えを示した。
総合教育会議は、昨年4月施行の「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」の一部改正により、すべての地方公共団体に設置が義務化された。市長と教育委員会で構成され、主に教育施策などについて協議・調整する。各委員の意見は教育行政に反映される。設置後、初の会合については昨年8月に開かれ、27年度中は市長によって3回招集されている。
今回の協議事項は、①質の高い学校教育②小規模校の課題解決の2点。
議題の一つ、小規模校の課題解決は吾野、東吾野地区の小学校統廃合問題について協議するもの。委員の意見聴取に先立ち、大久保市長は「統合は大事。統合は繁栄の始まりでなければならない。地区を疲弊させてはいけない。地域の発展を念頭に置いて統合し、将来的に地域が良い方向に向かわなければならない」などと学校統合の基本的見解を述べた。
吾野・東吾野地区の小学校統合について、委員意見は「複式学級が増えると、集団学習の制約などデメリットが増加する。統合問題は考える時期にきている。市街の学校に通っている子どもたちが通いたいと思うような学校に」など肯定的な意見で占められた。
また、「地域の人たちの意見を聞き、ちゃんと目を向けていますよという発信をしていかなければいけない」といった地域に寄り添う重要性を指摘する意見もあった。
吾野、東吾野地区には吾野・西川・東吾野の3小学校があるが、各校とも全校児童数が30人ほどで、いずれも複式学級を取り入れている。西川小への統合を求める保護者の声は多く、今年5月には市自治連吾野支部が大久保市長、澤田清志教育長に早期の学校統合を求める要望書を提出している。