「救急受診ガイド」県内初運用 スマホ、PCでいつでも確認

該当する症状を選択することで、緊急度などを確認出来る(スマートフォン利用時)

 埼玉西部消防局は、病気やけがの緊急性を判断や病院受診の必要性などを確認出来るサービス「救急受診ガイド」の運用を1日から開始した。ホームページ上の該当する症状を選択することで緊急度が判定され、救急度に従って「救急車を呼ぶべきか」「すぐに医療機関を受診したら良いか」などの判断に役立てるというもの。

 同受診ガイドの運用は県内で初めて。全国的に緊急性の低い救急出動が増えている中で、同サービスにより救急車の適正利用の促進が図られるものと期待している。

 「対処する方法が分からない」「いつもと様子が違う」など市民が病気やけがをして判断に迷った際に、スマートフォンやパソコンから同消防局のホームページの「救急受診ガイド」にアクセス。画面に示された質問項目に答えることにより緊急度が判定され、「すぐに救急車を呼ぶ」「すぐに医療機関を受診する」「緊急ではないが医療機関を受診した方が良い」などが表示され、病院受診の必要性などを確認出来る。

 質問と回答から判断して「119番に電話して」と表示されるようになっており、スマホであれば画面をタップするとそのまま119番に通報出来る機能も備えている。緊急性が低いと判断した場合は、管内の救急診療病院や医療機関の情報を紹介する電話案内やホームページに誘導する。

 同消防局は25台の救急車を運用しており、平成27年の管内の出動件数は3万4036件で、そのうち軽症者の割合は約53%だった。件数は増加傾向であり、出動件数の増加が現場到着の遅れにつながり、救える命が救えないことにならないよう適正な利用を呼び掛けている。

 「スマホ、パソコンから利用出来るので24時間場所を選ばす、災害発生時には避難先など日常と異なる環境で体調不良となったときにも大きな安心につながる。同サービスの導入によって、真に緊急を要する傷病者への対応の遅れも防げるとともに、救急車の適正利用にも効果があるものと期待している」としている。

 同受診ガイドは、総務省消防庁が公表した「救急受診ガイド2014年版」を基に作成しており、同様の受診ガイドは東京消防庁や横浜、千葉、札幌市なども世運用しているが、埼玉県内では初めての運用となる。