「小学校統合の早期実現を」自治連が市に要望書

 平成28年度で3校合計101人だった児童数が、29年度には85人、30年度には79人と減少予測されている飯能市吾野・東吾野地区の吾野・西川・東吾野小学校。3校とも複式学級を取り入れ対応しているが、地元では学校統合の機運が高まりを見せている。

 今年5月には、自治連吾野支部(浅見豊樹支部長)が早期の学校統合を求める要望書を大久保市長らに提出している。

 吾野地区は、ここ10年間に23・5%人口減少するとともに、高齢化率についても約40%と市内で最も高い数値を示す。

 地域では、児童数の減少から平成5年に北川・南川小を廃校して吾野小に3校統合したが、その後についても人口減少に歯止めがかからず、再度の学校統合が現実的な問題となっていた。

 児童数の減少は、運動会や遠足などといった学校行事に支障が出たり、一方で少人数の学校生活により子どもたちの間で競争心が希薄化するなどといった問題が指摘されている。

 一昨年5月、吾野・東吾野小の新旧PTAが懇親会を開き、統合の必要性や小中一貫教育などについて意見交換。その年の11月には、吾野地区行政センターを会場にした「市長ワクワク座談会」で、PTA連合会長が学校統合について発言するなどしている。

 統合を視野に入れたこうした取り組みは、年とともに高まり、昨年5月には「地元を考える有志の会」が小学校と保育所の保護者を対象に「子育てアンケート」を実施。

 11月には地区内で催された両吾野新旧PTAの懇親会で統合の必要性などについて話し合われている。さらに、地元平沼弘議員がその年の12月議会一般質問で学校問題を取り上げた。

 自治連吾野支部の要望書は、「吾野、東吾野地域には3校の小学校(吾野、西川、東吾野)があり、子どもたちは毎日勉学に勤しんでいるが、しかし各学校とも全校児童数30名あまりで、3校とも複式学級制度を取り入れている。この学校問題に関しては、平成261130日の『市長ワクワク座談会』において、当時のPTA会長さんが小学校の統合の必要性についての意見を出されて以来、小学校、保育所の保護者を中心としてアンケートや懇談会が実施され、その結果と学校統合に関しての相談を受けている」と指摘。

 その上で、「自治連吾野支部としても、子どもたちが安心して学べる教育環境を整え、親御さんたちが落ち着いてこの地域に住み続けられるように本年度の総会において平成28年度の事業方針の最重要課題『小学校統合の早期実現』を掲げ、全面的にサポートしていくことを決定した」などとしている