レースに包まれたキノコの「女王」
日高市高麗本郷で畳店を経営する和田誠一さん(60)が、巾着田でキヌガサタケと見られるキノコを見つけた。レース状の傘が特徴的な珍しい形をしており、「毎日散歩しているが初めて見た」と和田さん。
植物に詳しい知人に尋ねたところ、「キヌガサタケではないか。この辺りで見られるのは珍しいのでは」という。
和田さんがキノコを見つけたのは、ドレミファ橋付近のマンジュシャゲ群生地内。樹木の周囲の一帯に10本程度が点在し、大きいものは高さ10センチ程度。
白色の柱の上に茶色の頭頂部があり、周囲には白色のレース状の傘が垂れ下がっていた。
動植物の生態に詳しい知人に確認してもらい、図鑑の写真と照らし合わせ、「キヌガサタケではないか」と推察。巾着田管理事務所職員も「今まで見かけたことはない」とその姿に目を見張った。
キヌガサタケは、その形状がドレスをまとっているように見えることから「キノコの女王」との別名も。茶色の頭頂部からは独特の臭気を放ち、虫をおびき寄せ胞子を運ばせる。
レース状の傘は短期間でしぼんでしまう。中国では高級食材とされ、スープや炒め物に使われるという。
キノコの女王を写真に収めた和田さんは、「珍しい上に傘がすぐにしぼんでしまうと聞いた。貴重なものを見ることができました」と喜んでいる。