竹寺で恒例「雨竹会」 大正から続く伝統行事
飯能市南の竹寺瑠璃殿で5月5日午前11時から、第101回「雨竹会」が開催される。大正時代から続く同会は大型連休中の恒例行事。
今年は黒坂黒太郎さんによるコカリナコンサートが行われる。黒坂さんに加え、矢口周美さんがボーカルとオートハープ奏者として参加する。
黒坂さんは平成7年、友人からプレゼントされたハンガリーの民族楽器「桜の木のオカリナ」を楽器として精度の高いものに改良し、「コカリナ」と命名。長野五輪のために伐採された木からコカリナを作り、地元の子どもたちと五輪の各イベントで演奏した。
また、広島で被爆した木からコカリナを誕生させ被爆樹コカリナの演奏を実施。同18年の中越地震被災地支援活動の功績により、国土交通省より表彰。東日本大震災後はプロジェクトを立ち上げ、全国で支援コンサートを行い、被災地の子どもたちにゆかりの木で製作したコカリナを贈るなどの活動を行っている。
コカリナ奏者として第一人者として幅広く活躍しており、現在は国立競技場の伐採木からコカリナを製作し、演奏するプロジェクトに取り組んでいる。
同寺は標高約500メートル、バス停「中沢」から徒歩40分ほど。まちの喧騒を離れた古刹には、野鳥の鳴き声と竹林を吹きぬける風の音が心地よく響く。天安元年(857年)、慈覚大師が東国巡礼した際、疫病が流行したのを憐れみ、この山に道場を造り、大護摩の秘法を修めたのが竹寺開山の由来。山岳信仰の道場として千余年の歴史を持つ。
本尊を牛頭天王、本地仏を薬師如来とし、神仏習合の姿を今に残す東日本唯一の遺構として知られる。また、境内の観音堂には、聖観世音が祀られており、武蔵野観音の33番結願寺にもなっている。
雨竹会は当初、地域の名士がタケノコをつつきながら親睦を深め、近年は著名人の講演や精進料理を楽しむ行事として定着している。
大野亮弘住職は「コカリナは木の優しさ、音色によって森林浴をしているような気分になりますよ。また、山内を散策するのにちょうど良い季節になった。ぜひ新緑と共に楽しんで頂けたら」と話している。会費は4000円(食事付き)。希望者は4月末までに事務局977・0108へ。送迎あり。