大野松茂さんが登壇 高麗郡1300年大学

0217高麗郡大学

[埼玉女子短大を会場に行われた高麗郡1300年大学]

 高麗郡の歴史や文化に関心を高めてもらおうと、昨年6月から今月まで全5回にわたり、日高市女影の埼玉女子短期大学を会場に「高麗郡1300年大学」が開催された。

 最終回となった5回目では、「高麗郡建郡1300年事業による地域観光づくり」と題し、高麗1300理事長の大野松茂さんが講師となり、高麗郡建郡1300年記念事業を通して地域の歴史や観光を生かし、魅力ある地域を作るヒントについて語った。

 「みんなで学ぼう、渡来から未来へ」を副題とした同大学は、日高市、高麗郡建郡1300年記念事業日高市実行委員会、一般社団法人高麗1300、高麗浪漫学会が主催。高麗郡の歴史や渡来文化、高麗郡を核とした地域観光づくりなどに精通する5人を講師に迎え、埼玉女子短大の協力を得て開催。

 第1回は「高麗郡建郡1300年とは」として高麗神社宮司の高麗文康さん、第2回は「高麗若光と高麗福信」として元明治大学講師の荒井秀規さん、第3回は「相模と武蔵の“渡来文化ロマン地帯”を歩く」として歴史ルポライターの宮田太郎さん、第4回は「中世の武蔵武士」として獨協大学教授の新井孝重さんが講師を務めた。

 最終回に登壇した大野さんは県議、狭山市長、国会議員を歴任し、現在は、高麗郡建郡1300年に関するさまざまな記念事業を展開する一般社団法人高麗1300の理事長を務める。

 大野さんは歴史を生かした地域観光について、明日香村の「明日香まるごと博物館構想」を紹介。また、日高市が「武蔵の明日香」と称されたことや日和田山の魅力に言及し、高句麗とのつながりについて、中国集安市にある「広開土王碑」、韓国九里市にあるそのレプリカや「中原高句麗碑」を紹介した。

 高麗郡のエリアや見所について、日高市の高麗川、巾着田、日和田山などの自然、高麗神社、聖天院、白髭神社などの歴史的寺社、大寺廃寺などの遺跡、飯能市のエコツーリズム、川越市の小江戸観光、越生町の花などを紹介。

 また、神奈川県大磯町や高麗坂東三十三観音など高麗郡と関連する地域についても取り上げた。

 渡来文化を振り返り、日高市とオサン市など近隣市も韓国との姉妹都市が多いことから、市民同士の和やかな付き合い、国際交流を続けて欲しいと期待。

 今後の地方創生は地域力の競い合いとなることから「今までにない地域づくり」「新しい発想」「元気な地方応援プログラム」が求められるとし、旧住民「土の人」と新住民「風の人」が協力し合い、皆が誇れるような地域を作り、先人の築いた歴史や自然を次世代につなげていくことが大切とし、「地域の自慢のタネを持つことで、子どもたちが誇れる地域になってほしい。素晴らしい地域、他にない魅力づくりが求められる」などと語った。