見えてきた東口開設 高麗川駅東地区整備事業
[線路沿いの市道拡幅などが進んだ高麗川駅東地区(写真右側)]
将来の東口開設を目指し、市道拡幅やライフライン整備が進められてきた高麗川駅東地区について、日高市は近隣住民を対象とした説明会を開き、事業の進捗状況や今後の見通しを説明した。
今年度までに計画されている東地区の市道整備や雨水排水管敷設工事はほぼ完了し、今後は駅と市役所通りを結ぶ都市計画道路・高麗川駅東口通線の整備と交差点改良、駅舎・東西自由通路整備、駅前広場の整備を計画。
駅舎や東西自由通路についてはJRと協議を進めており、財政状況を見ながら複数のプランを作成して比較検討するとし、東口開設の具体的な目標年度については平成32~33年頃としている。
住宅地としての土地利用が進んだ高麗川駅東地区。同地区のまちづくりを振り返ると、平成2年度に東地区約50ヘクタールを対象に市が土地区画整理事業調査を行い、平成4年度の地区懇談会を経て地区住民によるまちづくり委員会が設けられ市と協議を開始。
駅前通線を中心とした11ヘクタールについて組合による土地区画推進を実施する提案が挙がったが、関係権利者の理解を得られず、12年度末に委員会が解消し地元との協議は一旦停止した。
それから約10年を経て、市は平成21年度から整備計画に再着手。短期的な計画で駅東地区の整備や東口開設をめざし、昭和53年に都市計画決定されている駅前広場と都市計画道路高麗川駅東口通線の整備計画の変更や、上下水道や生活道路の整備改善を進めてきた。
平成23年に行った都市計画道路の見直しでは、駅前のメインストリートなる高麗川駅東口通線の整備を早期に行うため、規模を縮小し、幅員14メートル、延長640メートルに変更。
その後、25年に県が実施した都市計画道路の検証、見直し指針を受け、一部区間を廃止し延長を東口駅前広場から市役所通りまでに変更する方針を示している。
これまでに、この高麗川駅東口通線にあたる駅~市役所通りを東西に結ぶ市道B287号線延長560メートルのうち320メートルを幅員8メートルで暫定的に整備。また、日高陸橋から上の台公園まで線路沿いを南北に走る市道B289号線延長400メートルについては、JR貨物用地2490平方メートルを取得し用地内のレール・電柱などの移転を行い、市道を幅員6メートルに拡幅した。
また、289号と接続する市道幹線7号について、雨水がなかなか引かない現状を改善するため、延長約360メートルに雨水排水管を敷設した。
今後は、高麗川駅東口通線の一部区間廃止と現在の市道の形状に合わせた線形変更を行った後に整備を進めるとともに、自由通路と駅舎の基本設計、自由通路の都市計画決定、駅舎等の詳細設計などを行い、整備を進めていく。
駅舎についてはJR東日本八王子支社と協議を進め、現況の駅舎と鉄道施設の状況を踏まえ、建築に係る費用などを東口開設に関する諸条件を勘案し複数のプランを作成し比較検討するとしている。
生涯学習センターで実施した説明会については近隣地域の住民に回覧を通じて周知し、谷ケ﨑照雄市長をはじめ担当部署の職員が進捗状況や今後の整備計画について説明し、事業への理解と協力を求めた。
出席した地元市議は「東地区の高麗川駅利用者は非常に多く、東口の早期開通が多くの住民の願い。周辺道路とのアクセスや交通対策に対する質問も多く上がっていた」と話している。