西武ガスと市が協定締結 避難施設へ優先供給
[協定書を手にする加藤社長(右)と大久保市長]
飯能市と西武ガス(同市双柳)は、災害時のガスの供給と防災協力体制などに関する「災害時におけるガスの供給・防災協力体制等に関する協定」を締結し9日、市役所市長応接室で調印式を行った。
市民生活に欠かす事の出来ないライフラインの一端を担っているガス。同社では飯能・日高市をはじめ近隣市町村に都市ガス、プロパンガスを約1万4500件の顧客に供給している。
同協定を締結することで、災害が発生した場合や災害が発生する恐れがある場合のガスに関する安全管理、情報交換、避難施設などへの優先供給など市民生活安定のため、迅速な対応が可能になると期待される。
主な内容は、▽市が指定する施設等へのLPガス等の優先供給▽市が設置する仮設住宅におけるガス供給設備に関する工事及びLPガス等の供給▽市が指定する公共施設等へのガス優先復旧工事等▽市に対しガス供給に関する情報周知の要請▽市に対し災害復旧活動を行う場合の施設使用要請など。
飯能市の地震ハザードマップに掲載されている「防災関係機関一覧」のうち、主な公共機関26施設中14、指定避難所60施設中24、福祉避難所25施設中11施設へ同社がガスを供給している。
大規模災害時にはこれらの避難所に多くの市民が集中することが予想されるため、市民生活の早期安定を図ると共に、最低限の衣食住環境の確保を目的に行政との連携を強化し、体制を整えていくこととなった。
締結式には加藤正幸社長、平井孝男営業部長が出席。大久保勝市長は「いつ、どこで災害が発生するかわからない。いざと言う時に寒さや暑さをしのぐ、食事の際など生活で必要なのはガス。今回協定を結ばせて頂き、心強い気持ちになった」。
加藤社長は「備えあれば憂いなしという事で、緊急の際に必要な物を用意させて頂いた。あってはならないが、互いに力を合わせて市民が安心安全に過ごせるまちになるよう、ライフラインの一翼を担っている者として努力していく。何かあればすぐに駆けつけます」と話した。
同社では飯能署と締結している「大規模災害発生時における物資調達等に関する協定」(平成26年2月)に基づき、本年度災害対策準備品として、1回に4・5キログラムの炊飯が可能な業務用炊飯器3台、業務用コンロ5台、8キログラムボンベ6本を用意した。要請があった場合はすぐに使用出来るよう、同社倉庫に「飯能市災害対策備品」として保管し、災害時対策に努めている。