来春、観光列車運行へ 内装に西川材を活用 市内林業関係者も期待
[写真:荒川の水の流れを表現した外観]
西武鉄道(本社・所沢、若林久社長)は、レストランを備えた観光列車の車内の運行を来春から開始する。内装には飯能産の西川材の活用を予定している。同社沿線地域の活性化と新しい旅行スタイルの提供を目的とし、優雅な空間と時間を楽しむことのできる観光電車とするもので、西川材を活用するとの意向に林業関係者は「実現すれば、西川材の魅力を宣伝する絶好のチャンスになる」と期待を込めている。
観光電車は現在、飯能~西武秩父駅間を中心に運行している4000系車両をベースにリメイクしたもので、4両編成で定員は計52人。運行区間は池袋~西武秩父駅間、西武新宿~西武秩父駅間、西武新宿~本川越駅間で、臨時電車として、土日祝日を中心に年間100日程度の運行を予定している。
従来の通勤車両や特急車両とは異なる趣とし、「秩父」をモチーフに、外観は荒川の水の流れを表現。車内のインテリアには沿線の伝統工芸品や西川材の使用を検討中という。デザインを手掛けるのは建築家の隈研吾さん。 乗客には首都圏を走る電車の中であっても非日常の空間を楽しんでもらおうと「乗って楽しい」「食べて美味しい」をテーマに、オープンダイニング2車両のほか、オープンキッチンのある車両、演奏会や映画上映会、結婚式などが開催可能な多目的車両で編成される。ニーズに合わせ、貸し切り運行も行う。列車名や料金、食事内容などは順次発表となる。
同社広報部は「観光地へ向かう“足”としてではなく、乗車駅から下車駅までの景色の移ろいや美味しい料理を味わいながら、ゆったりとした優雅な時間を過ごしてもらえたら」と話す。 車内に西川材の活用を検討するとの方針に市内林業関係者は「西川材という存在をPRする絶好の機会になる。木目の美しさなど、魅力を多くの方に知ってもらう機会」と期待を込める。