的確な初期消火で延焼防ぐ 消防団関係者へ協力者表彰
日高市清流の民家で発生した火災にいち早く気づき、的確な初期消火を行い延焼を防いだとして、埼玉西部消防局飯能日高消防署(小山幸一署長)は26日、和田博行さん(50)=清流=、齊藤亨さん(43)=同=、和田博史さん(36)=高萩=の3人に消防協力者表彰を贈った。
火災は2月24日午後5時半頃に発生。当時は栃木県足利市や東京都青梅市での山林火災と同時期で、日高市にも強風注意報が発令されており、火元となった家の裏には竹藪や山があり、そこに燃え移る可能性もあり、被害拡大の恐れもあったという。
そんな中、3人は同市消防団の関係者ということもあり、地域の連携・消防団の組織力を発揮し、迅速に対応にあった。
火元となった家の隣にある実家を訪れていた消防団員(1分団)の和田博史さんが庭にいたところ、「バチバチ」という音が聞こえたため隣の家を見ると、煙や赤い炎のようなものが見えた。
はじめは「焚き火でもしているのか」と思ったが、自分の背丈よりも上に火が見えたことから火災を疑い近づくと、「火事だ」と慌てる住民を発見。
その時、車で通りかかった消防団OBの和田博行さんも火が見えたため急いで現場へ駆けつけ、当時第1分団の分団長だった齊藤さんへ電話し、状況を説明。連絡を受けた齊藤さんは、すぐにホースと筒先を持って現場へ駆け付け、3人は連携して放水を開始した。
その後、到着した消防車により消火活動が行われ、午後7時10分頃に鎮火した。出火当時、この家の中には6人がいたが全員無事だった。
飯能日高消防署の小山署長は、「強風注意報が発令されている中で火災が発生し、被害の拡大が非常に危惧される状況だった。そのような中で、皆さんには火災を認知した後に素早く初期消火活動を行って頂いた。その結果、被害の軽減と拡大防止につながった」と感謝した。
当日を振り返り、博史さんは「最初は焚火か何かかと思ったが、火災だったので驚いた。3人で連携を取って対応にあたり、けが人もなく、延焼もなかったので一安心した」、博行さんは、「高い所に火が見えたので車で急いで戻った。普段から付き合いのある方のお宅でもあり、早く消火できて良かった」と話した。
現在、日高市消防団団本部部長を務める齊藤さんは、「消防車が到着するまでの間に、いかに早く消火活動を行うかが大事。今回は、小さい子どももいて、風も吹いていて危険な状況だった。周りの方たちも“ありがとう”と言ってくれて、そういう感謝の言葉を頂き、自分たちも活動していて良かったなと感じています」と述べた。